レオパレス、違法建築185棟

レオパレス21

事件|2018年06月04日

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オーナーは被害者の会設立

レオパレス21(以下、レオパレス:東京都中野区)は5月29日、同社が建設したアパートにおいて、建築基準法違反の疑いのある物件が206棟あることを発表した。
これまでに施工したアパートのうち3万7853棟の調査を進めていく。オーナーらは違法建築被害者の会を立ち上げる。

レオパレスは、オーナーから建築確認図面にあるべき屋根裏の界壁がないとの指摘を受け、4月から1996~97年に販売した『ゴールドネイル』、『ニューゴールドネイル』の2商品について全ての建物を調査を始めた。5月29日の発表では、現存する915棟のうち184棟を調査し、そのうち91%にあたる168棟で界壁がなかったことを明らかにした。

この事態を受けて、同社が96~2009年に施工したアパート3万7853棟にまで調査対象を拡大。前出の2商品以外で調査を完了した290棟のうち界壁が存在しなかったのが17棟、界壁部分の施工不備が21棟あった。レオパレス側は「施工会社に渡している図面と施工マニュアルの図面に相違があり、社内の検査体制に不備もあったこと」と説明したが、疑問も残る。

界壁とは屋根裏を区切る耐火性のある壁のことで、建築基準法上設置が定められている。住宅インスペクションで実績のあるさくら事務所(東京都渋谷区)の長嶋修会長は「骨組みが完成した時点で建築確認図面と比較すれば、実際に施工されているかどうかは目視で判断できる」と話す。2商品で調査済みのうち9割に入っていないとすれば、あまりに管理体制がずさんであったか、会社として意図的に行っていたことも疑われる。

外部の協力を得ながら、19年6月までに全ての調査を終え、問題が見つかったアパートに対しては補修工事を行っていくという。改修工事はいくらほどになるのか。長嶋会長は「10~12戸の規模であれば、200万~300万円ほど、工事期間は数週間ほどかかるのではないか」と見る。 改修費の負担、退去者への引っ越し代や損害賠償などが発生するようになれば、さらに必要な金額は膨れ上がっていくだろう。同社の経営を揺るがす問題になりうる。

訴訟の可能性示唆
レオパレスでアパートを建築したオーナーらで結成するLPオーナー会は1日、名古屋市内でレオパレスの違法建築に関する記者会見を行った。違法建築が発覚した経緯と救済措置について説明をした。 同オーナー会は独自に調査を行い、三重県桑名市、岐阜県岐阜市、岐阜県可児市、東京都立川市などで4棟のアパートが違法建築であることを確認した。界壁そのものがなかったり、可燃性の木材が使われていた。

すでにレオパレスとのサブリース契約を解除しているオーナーも多いため、同会では相談窓口「レオパレス違法建築被害者の会」を6月中に設立する。建築基準法に適した修繕工事や、工事費用の負担をレオパレスに求めていく。折り合いがつかなければ、訴訟に発展する可能性もあるという。前田和彦代表は「修繕工事をレオパレスにまかせっきりにせずに、専門家の確認を行い、入居者が安心できる建物であることを確認してから、賃貸経営を続けてほしい」と訴えた。

富山県からきた男性オーナーはレオパレス社員に界壁の点検を求めたが、来年以降になると告げられた。男性オーナーが所有しているのは、レオパレスが違法建築を認めたシリーズ以外の住宅だからだ。「入居者も住んでいるため、不安で仕方がない」と肩を落としていた。

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