5億円の増資実施・・・スピードネット

2009年05月04日号|企業

滞納保証のスピードネット(東京都中央区)は、5億円の増資および人員補強等を行い滞納保証事業の立て直しに乗り出した。親会社のスピードパートナーズ(東京都中央区)の白石伸生社長が本紙取材に応じ、自身がスピードネットの社長に就任することを含めた再建策について語った。

昨年10月、会社分割方式によりスピードパートナーズのグループ会社がエスネットの賃貸保証事業部門を譲受。スピードネットに社名を変えて保証事業を展開していたが、昨年12月頃に滞納家賃の送金遅延が発生。取引先家主、管理・仲介会社の不信感が高まっていた。

「未払いは12月から2月までの3カ月分で、個人家主を含め350社、総額約1億8000万円。直接的な原因は、スピードネットの顧客管理システムがダウンし、データが消失したこと。回収した賃料をどこに、いくら支払えばよいのかわからなくなってしまった。同時に人材流出も進み、家賃回収能力が急速に衰えた」(白石社長)

白石社長が直接介入し、事態の収拾を図ったのが今年2月。取引先の連絡先をかきあつめ、おわびするとともに未払い金の請求書送付を依頼。4月23日時点で未払い額を3500万円まで圧縮したという。

「滞納保証は将来性のある事業。信頼回復に努め、事業を立て直したい。そのために、5月に5億円の増資を実施する。人員も増やし、一時期は15人程度まで減ってしまった社員を190人まで増やした」

人材採用を進める傍ら、青森にコールセンターを設置し、督促や契約管理を行う事務部隊を集約。大阪、横浜に支店も開設した。さらに5月末には仙台、名古屋、9月末までには10大都市に支店を置く構え。体制を整え、7月末までに月間4000件の新規保証受託を目指す。

「新体制が整ったところで『安全宣言』を発し、私が社長に就任する。新商品も投入する予定だ」

事業の継続性すら危ぶまれていた状態から一転、大規模資本注入。だが、それだけでは信頼を取り戻すには不充分だと白石社長自身も認識している。管理・仲介会社に安心感を与えるための対策の一つが、保証金だ。保証件数に応じ各取引先に保証金を積むことを検討しているという。保証金は総額3億円から4億円になる見通しだ。

また、契約者、エリア等の属性に応じて保証料率を変動させる新商品の開発にも取り組んでいる。

「既存の保証ビジネスの最大の問題点は、滞納発生リスクが調整できていないこと。保証料率を変動させることで、事業リスクを最小限に抑えたい」

白石社長の滞納保証事業への期待は大きい。スピードパートナーズは新井組、富士ハウスをはじめ、立て続けに建設・不動産関連会社のスポンサーに名乗りを上げている。滞納保証会社の取得も、その流れの一つだ。

「先日、滞納家賃の回収に同行してきた。家賃回収に必要なのは強引な督促ではなく、人生を再出発するためのコンサルティングだということがわかった。社員にはファイナンシャルプランナーの資格を取得させ、滞納者の話をじっくり聞く体制もつくる。回収スタンスで他社と差別化できるような保証会社を目指したい」

タグ:スピードネット|スピードパートナーズ|保証料率|保証金|増資|新規保証受託|滞納保証|滞納者|白石伸生

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