賃貸住宅の「公」を考える
大東建託(東京都港区)は10月27日、「第4回 大東建託賃貸住宅コンペ」に関連するシンポジウムを開催した。
賃貸住宅を主題に全国からデザイン案を募集するアイデアコンペ。
4回目となる今年のテーマは「賃貸住宅の公(おおやけ)」。
シンポジウムでは、コンペの審査員と、集合住宅や公共施設などをプロデュースしてきた建築家の馬場正尊氏を招き、テーマについて議論を深めた。
1部は各審査員が登壇し、各自が考える「公」について発表。
審査員長を務める建築家で首都大学東京教授の小泉雅生氏は、公的なサービスが提供されるオフィシャルスペース、広い範囲の人々に関連する共通の空間であるコモンスペース、多くの人に物理的かつ視覚的に開かれたオープンスペース、間にいる人々をつなぐコネクティングスペースの4種に分類できると論じた。
審査員で建築家TNA共同主宰の鍋島千恵氏は、自身が手掛けた上州富岡駅の駅舎を事例に、市民の交流スペースとなる開放的な空間を紹介。
2部は、馬場氏と審査員で大東建託常務執行役員の小林克満氏を含めた座談会。
パブリックとプライベートの境目があいまいで、時間軸によって双方の役割を果たすような住空間の存在について活発に意見を交わしていた。