5年で10万戸目指す
三好不動産(福岡県福岡市)は同業者から管理事務を代行する子会社を設立し、5年間で30社から10万戸の受託を目指す。
福岡県内の小規模事業者や、1万戸以上を管理する全国の中堅大手事業者が対象。
三好不動産は昨年4月に、神奈川県の管理会社から約1万戸の管理事務を受託。
同年10月には、管理事務を代行する事業部を立ち上げており、これまで同事業を統括していた矢野孝介執行役員が社長に就き、全国賃貸管理サポートセンター(福岡県福岡市)として、今年11月11日に法人化した。
「賃貸管理システムをタイムリーに処理できていない会社様も多く、相談を受けることが増えていました」と矢野社長は経緯を説明する。
クレーム処理やコールセンター、滞納督促などをアウトソーシングする流れがあるが、賃貸管理システムのオペレーションに関しては自社で担うのが一般的だ。
しかし、比較的小規模の不動産管理会社の中には、経営者の高齢化や人手不足で、煩雑な事務作業をするのが難しくなっているケースもある。
三好不動産は独自のノウハウとシステムを活用し外部委託ができる仕組みを構築し、その需要を取り込んでいく。
受託するのは、契約、解約、清算データの入力や、更新処理、滞納督促など。
費用は戸数や受託範囲、システムの種類、データ整備状況などによって異なる。
また個別に、賃貸管理業務のアドバイスや業務フローの改善提案などを請け負う。
同社に委託する事業者は、家主との管理契約を維持したまま、一定の収益を確保できる。
また作業負担が減ることで、家主との関係構築や新規管理物件の開拓、空室対策の提案などの業務に多くの時間を割くことができる。
「今後、不動産取引のIT重説が本格稼働すると、さらに賃貸管理システムのデータ整備やタイムリーな運用が必要になってくるでしょう。当社が管理事務を受託することで、各社のビジネスチャンスに寄与できるのではないかと考えています」(矢野社長)
全国賃貸管理サポートセンターは、スタッフ37人体制でスタートし、来年1月4日には福岡市中央区天神に事務所を移す予定。
現在は九州2社、関東1社から合わせて約5万戸を受託運営中。
さらに、100戸の管理戸数の会社から15000戸の大手まで、関東、関西、九州で8社と商談を進めている。