1000台の専用設備機器を順次設置
三菱地所ハウスネット(東京都新宿区)は4日、入居希望者が不動産会社のスタッフを伴わず内見できるサービスを開始した。
管理物件の空室にスマートロックとタブレット端末を各100台取り付け、提供をはじめる。
この『スマート内覧』を導入するのは、すべて同社が貸主の物件で、再募集中の空室のみ。
新築と異なり、点在する再募集物件への内覧に同行するのは手間や経費がかかる。
そのため、入居希望者がスタッフの同伴なしで内覧できる仕組みを作ることで、業務効率化を図る狙いだ。
同社では年間500件ほどを自社で客付けしており、これまでは物件サイトを見た入居希望者から連絡を受け、仲介営業スタッフが内覧に同行していた。
『スマート内覧』では、物件サイトから内覧予約フォームに入り、個人情報を入力後、30分刻みで表示される内覧可能日時から希望日時を選択し、予約が完了する。
内覧当日にスマートフォンやタブレットなどの携帯端末で、スマート内覧のマイページにアクセスすると、エントランスのオートロックや、玄関に取り付けたスマートロックの解錠操作が予約した時間内だけ使用できる。
玄関を開けると、解錠と同時に室内に設置してあるタブレット端末からBGMが流れ出し、30秒後に「いらっしゃいませ」とあいさつをする。
試験運用期間中に、一人で内覧するとき、静かだと怖くなるという意見をもとに取り入れた。
このタブレット端末は、物件概要や、周辺の施設情報などを表示するほかオペレーターと通話し、不明点を尋ねることができる。
また、仮申し込み機能があり、入居申し込みの番手を押さえることも可能だ。
本契約の申し込みをする場合は、室内タブレットのボタンを押せば、あらかじめ入力したメールアドレスに申込書が送られてくる。
必要事項を追加記入し、返送するだけだ。その後の手続きは、スタッフが対応する。
9月末には大々的にリリースし、対象物件は無人内見に移行していく。
手軽に内見予約ができる分、実際に内見しない空予約の発生リスクも考えられる。
「実際に開閉した履歴が残るので、予約と照合し、状況をみながら、普及を進めていきたい」と担当者はコメントする。
営業時間は午前10時から午後8時まで。