仲介サイトでVR内見広がる
商品|2016年09月22日
大京穴吹不動産、ニッショーが導入を発表
VR(仮想現実)技術を用いた内見サービスの導入が仲介サイトで広がっている。
大京穴吹不動産(東京都渋谷区)は15日、運営する賃貸・売買の仲介サイトのスマートフォン版にて約880物件をVR内見に対応させることを発表した。
ニッショー(愛知県名古屋市)も8日、運営する『ニッショー.jp』でVR技術を活用した内見サービスを導入した。
大京穴吹不動産は5月から自社サイト内で開始した物件を360度のパノラマ画像で閲覧できるサービスについて、スマホをVRゴーグルとして活用することで内見を疑似体験できるように改良した。
箱形の専用ゴーグルにスマホを取り付けて顔に装着すると、顔を向けた方向に画面が自動で方向転換する。
これまで提供してきたパノラマ画像による閲覧サービスよりも没入感が増し、実際に部屋にいるかのような体験ができる。
VRに対応するのは、サイトに掲載する賃貸・売買物件のうち880件。
賃貸はそのうち180件となっている。
VRゴーグルは同社が全国80拠点に展開する仲介店舗に設置する。
遠方の物件で内見ができない顧客や、短期間での契約を望む顧客らへの活用を見込む。
台湾や香港の事務局でも導入し、インバウンド顧客の獲得を狙う。
中部地方を中心に仲介店舗を展開するニッショーも、運営する仲介サイトでVR内見をはじめた。
愛知・岐阜・三重の3県約200物件が対応しており、スマホを活用して疑似内見できる。
VRコンテンツを制作するアジェンシア(愛知県名古屋市)のシステムを採用し、ニッショー独自のVRゴーグルを作製した。
ゴーグルはイベントなどで配布し、普及を図るという。
VR技術を取り入れる仲介会社は増加している。
賃貸会社向けVRシステムを開発するナーブ(東京都千代田区)は「VR内見を体験することで、実際の内見を必要としないとする顧客も多い。店舗のスタッフが内見に同行する手間が削減できることから、業務効率化のために導入を検討する会社も多い」と話した。
ナーブのVRシステムは全国展開する大手仲介会社でも導入されており、今後仲介店によるVR技術の導入はますます進みそうだ。