業界初 管理事業者がターゲット
あいおいニッセイ同和損害保険(東京都渋谷区)と三井住友海上火災保険(東京都千代田区)は、2月1日から、空き家管理事業者を対象に『空家賠償責任保険』の販売を始める。
空き家管理事業者向けとしては業界初だ。
商品の内容は、空き家管理事業者や空き家の所有者が被る賠償損害と費用損害を補償する。
空き家管理事業者の業務遂行上の事故により負担する賠償責任のほか、所有者が空き家を原因とした事故により負担する賠償責任も対象となる。
対象となる空き家は現在居住していない住宅だ。
別荘のほか、賃貸用や売却用に管理している住宅は対象外となる。
空き家管理事業者を契約者(保険料負担者)とし、事業者が管理する日本国内に所在するすべての空き家をカバーする。
保険料は戸建てと共同住宅の2本立てで、1戸ごとに設定する。
保険料は戸建て住宅1棟で賠償金支払限度額を5億円に設定した場合年額8000円。
一番安い保険料では共同住宅1戸年額2050円だ。
支払限度額や免責金額は5つの契約パターンから簡単に設定できる。
開発の背景にあるのは空き家の増加だ。
総務省の調査では2013年10月時点で空き家が820万戸となり、前回の調査時より63万戸増えている。
あいおいニッセイ同和損害保険によると、住み手がいず、管理が適切に行われていない空き家では建物や塀の倒壊、屋根・外壁の落下、不審者の滞在、ごみの放置等の問題が表面化している。
それに伴い、所有者が遠隔地に居住しているなどの事情から空き家の管理を業者に委託するケースも増えており、不動産会社、ハウスメーカーなどが相次いで空き家管理サービス事業に参入している。
そこで、今後拡大が見込まれる同事業にかかわるリスクに対する補償をパッケージ化した商品を企画したという。
代理店契約を結ぶ不動産会社を中心に営業を進めていく。
あいおいニッセイ同和損害保険の担当者は「目標とする計画件数の設定はしていないが、積極的に販売していきたい」と力を入れる。