ジープラスがデベロッパーのサムティと提携
フジサンケイグループのジープラス・メディア(以下ジープラス:東京都港区)は13日、マンションデベロッパーのサムティ(大阪市)との提携を発表した。
欧米人向けの情報メディアを持つジープラスの集客力に期待するサムティと、外国人ユーザーに提供する情報数とエリアの幅を広げたいジープラスの思惑が一致した。
仕組みは、まず、ジープラスのグループ会社が運営する不動産情報サイトを通じ、サムティが保有する外国人向け高級賃貸住宅へのリーシングを行う。
入居が決まった物件1戸ごとにジープラスがサムティと転貸借契約を結ぶ。
ジープラスは外国人入居者の貸主として問い合わせに対応し、近隣への迷惑行為がある場合には注意などを行う。
ジープラスは昨年9月に日本管理センター(東京都千代田区)と提携。
同社が展開する外国人入居者に向けた転貸の仕組みを利用する不動産会社は39社(2016年9月時点)だったが、4カ月足らずで企業数は70社と2倍近くに増えた。
転貸する物件は1000件から2500件に増加し、今年中に100社6000件の利用を目指す。
ジープラスは「利用者は関東の企業が中心だが、サムティとの提携で、大阪での物件の提供が可能になった。今後は地方都市で展開する不動産会社との協業も進めていきたい」と話した。
管理会社は外国人向けビジネスに興味を持つ一方、実際に展開している会社は少ない。
公益財団法人日本賃貸住宅管理協会(東京都中央区)が14年末に発表した、管理会社を対象にしたアンケート結果では、「外国人をターゲットにした事業に興味がありますか」という質問に対し、「とても興味がある」「少し興味がある」が合わせて70.4%だったのに対し、「専門的に展開している」は6.9%、「まれに外国人対応をする」が32.9%と過半数に満たなかった。
管理会社は外国人入居者を促進するサービスを求めている。
外国人を専門にした家賃債務保証サービスを提供するグローバルトラストネットワークス(東京都豊島区)が提携する不動産会社数は1年で7000社から8000社に増え、契約件数も1万7000件から2万2000件に増加している。
後藤裕幸社長は「営業をしなくとも管理会社から問い合わせが来る」と話す。