犬矢来や大和塀設け築古の味わい演出
賃貸仲介・管理を行う高山不動産(石川県金沢市)が手がけた、町家風に改修した5棟の戸建て賃貸『涌波ロッヂ』が2月末に完成する。
築38~44年の木造2階建て5棟と土蔵が立ち並ぶ約1000㎡の土地を一つのエリアに見立て、各棟75~81㎡の3LDKに改修した。
杉とヒバ材を使った大和塀を設置し、外構部に用水が流れている棟には、町家に見られる竹でできた防護柵の犬矢来を設けた。
エントランスには冠木門も設け、外壁は杉材を使った下見板張りを施した。
室内は丸太梁を残したり、ガラス戸の間仕切りをそのまま使っている。
もともとの素材を生かすことで築古ならではの味わいを出した。
各棟には加賀友禅に使われる加賀五彩の臙脂、藍、黄土、草、古代紫の5色を、室内のアクセントクロスなどに取り入れている。
町家風に改修した経緯について、高山修一社長は「すぐ近くに、下見板張りの戸建てがあるのがヒントになった。5棟を同じように改修すれば、この一帯が金沢らしさを象徴する、町家の立ち並ぶ雰囲気あるエリアになると考えた」と語る。
転勤者や、町家に一度は住んでみたいと感じている層の入居を見込む。
賃料は8万~8万5000円で、別途共益費2000円。
相場よりも3万円ほど高い。
5棟で5000万円を投じた。