不動産小口化商品の販売広がる
投資|2017年03月15日
武蔵コーポレーションが新規参入
収益不動産の売買仲介、賃貸管理を行う武蔵コーポレーション(さいたま市)は6日、不動産小口化商品の販売事業に参入することを発表した。
2月3日に、不動産特定共同事業法(不特法)の免許を取得している。
不特法に基づき、1棟の収益不動産を小口化して複数の投資家に販売していく。
同社は、仕入れた中古物件を再生し収益性を高めたうえで再販し、その後の管理を受託している。
これまで個人投資家向けに1棟物の収益不動産を売却してきた。
昨年の実績で平均価格は8700万円だったが、小口化商品ではより大型の投資物件を扱う。
効率的に管理戸数を増やし、スケールメリットを生かした賃貸管理でコスト削減と収益性の向上を図る狙いだ。
販売単価は1口500万円程度の予定。
初期投資額が低く、手間がかからない資産運用商品として顧客に提供していく。
小口化する収益不動産は、郊外のターミナル駅周辺に建つ5億~10億円規模が対象で、1棟目は7月ごろの発売を目指している。
大谷義武社長は「将来的には、60億から100億円の売却を目指したい。また、その販売した小口商品の流通市場の整備を行いたい」と意気込みを語った。
ユーミーHDは2物件目を今夏発売
学生マンションが1口100万円
昨年11月から不動産特定共同事業を手掛けているユーミーホールディングス(神奈川県藤沢市)は、2物件目の販売を今年の夏ごろに控えている。
3月18日から入居を開始する学生専用マンション『カレッジテラス東海大学前』だ。
1口100万円で、主に老後の生活資金に不安を抱える60~70代の購入を見込んでいる。
賃貸住宅を1室や1棟で所有するよりも、初期投資額が低く、修繕費用などが発生しないことや、短期間で運用を完了し現金化できる点が適している。
同HDは湘南エリアの魅力を高めることを企業理念としており、老朽化した物件を再生するための資金調達の手段の一つとして不特法事業に着手した。
1物件目は既存オーナーへの販売のみだったが、2号物件は、安定した住居ニーズを見込める新築の学生マンションで、新規顧客へと販路を広げたい考えだ。
販売は不特法の免許を持つ湘南ユーミーまちづくりコンソーシアムが、物件管理はユーミーClassが手掛ける。
物件は東海大学湘南キャンパスから徒歩2分の場所に立つ。
RC造90戸で、全て入居が決まっている。
食事提供や交流スペースをつくることで物件の差別化を図っている。
湘南ユーミーまちづくりコンソーシアムの下山太郎執行役員は「食事を提供してほしいという保護者ニーズが高いため、安定した入居と収益が見込める」とコメントしている。