都内で大型案件を企画
学生向けの賃貸マンションや学生寮を4万戸以上管理・運営する学生情報センター(京都市)は6月30日、東京・新宿の京王プラザホテルで『ウェルカムパーティー』を行った。新たに同社の管理物件に入居した学生250人とオーナーや大学関係者ら220人、合わせて470人が来場した。会社の紹介、来賓のあいさつに加え、入居者によるオーナーへの花束贈呈など内容を盛り込んだ会となった。
同パーティーは今年で29年目になるイベントで入居学生、オーナー、学校との交流を深め、新生活を応援することが目的だ。今年は5月から全国7カ所で行い、全会場で約3000人が参加した。
冒頭で学生情報センターの北川登士彦会長があいさつ。「当社は昨年11月に東急不動産ホールディングスグループの一員になった。グループのリソースを生かし、これまでの学生マンション事業を軸とした、入学、在学、就職時のサービスに加え、卒業後のライフステージに応じてさまざまなサービスを提供していきたい」と語った。
学生情報センターは昨年に東急不動産グループ入りして以来、学生向け賃貸住宅事業において、グループ会社との協働を進めている。来春には、東急不動産と共に開発から手掛ける第一号案件として、東京都豊島区で全167室の学生マンションを竣工する予定だ。さらに、東京都北区で231室の大型案件を合同で進めており2019年3月に完成する。
東急不動産の土地の仕入れ能力や大規模プロジェクトの開発経験を生かした大型案件を増やすことで、学生情報センターの管理・運営戸数を伸ばしていく。
広がる学生住宅市場
学生向けの賃貸住宅市場は拡大している。学生情報センターが展開する11都府県の学生数は、この28年で約30万人増加した。52%から75%になった進学率の上昇、大学院への進学なども含めた理系学生の増加、留学生の伸びが主な要因だ。さらに、国が掲げる留学生30万人計画の実現のために、十数万人規模の留学生向け住居の整備が急務になっており、首都圏をはじめとして主要都市での学生向けの賃貸住宅や学生寮の市場には拡大余地があるとみる。
チャンスを求めて、競合も増える。伊藤忠都市開発や三井不動産レジデンシャルが、学生向けマンションに新規参入を発表し、首都圏を中心に競争の激化が予想される。学生情報センターの42年にわたるノウハウと東急不動産グループとのシナジーを生かし、他社と差別化をしていけるのか。