【長時間労働問題を考える】21時のオフィス消灯後、営業車内で事務作業
インタビュー|2019年02月15日
業務量変わらず持ち帰り残業発生
働き方改革関連法施行が迫る中、労働環境の早急な整備が求められている。
不動産業界における長時間労働の実態を取材し、今後の対応策を探っていく。
追客やサイト入稿業務で1日4時間の時間外労働
新興不動産会社で賃貸仲介営業を担当していたAさんは「24時過ぎまで働くのが常態化していた」と振り返る。
4年間勤めたが、業務量の多さに耐えきれず辞職した。
昼間は物件写真の撮影や内見同行に時間が費やされ、店に戻るのは暗くなってから。
それから顧客への電話連絡やメール、ポータルサイトへの入稿業務などで毎日4時間以上時間外労働を行う日々だった。
帰宅するのは日をまたいでからで、終電に飛び乗るのが当たり前になっていた。
店舗は年中無休のため、休みの日でも働かなければ店舗が回らず、上司から遠回しに出勤を求める指示があった。
入社して2年後に、給与体系が固定残業制になったが、固定分を超過した時間の勤務について残業代が支払われることは一度もなかった。
社員は入れ代わり立ち代わりで入っては辞めていく。
「3日でいなくなる社員もいた。4年続けていたのは自分くらい」(Aさん)
スタッフが長続きしないため、その分の仕事がのしかかってくる。先が見えない日々に疲れ果てた。