介護報酬2.27%引き下げでサ高住運営に打撃
法律・制度改正|2015年01月23日
関係者は人材不足深刻化を危惧
介護報酬改定が2.27%引き下げとなる方針が決まった。
詳細は、月額1万2000円相当の介護職員処遇改善加算を拡充するため1.65%の引き上げを確保すること。
中重度の要介護者や認知症高齢者に対し、良好なサービスを提供する事業所や地域に密着した小規模な事業所に対する加算措置を拡充するため、0.56%の引き上げを確保すること。
収支状況などを反映した適正化等により4.48%の引き下げとすること、となっている。
今回の改定はサービス付き高齢者向け住宅(以下、サ付き住宅)にどのような影響を与えるのか。
高齢者住宅のコンサルを行うシルバーライフネットワーク(東京都中央区)の向井幸一社長は「一番深刻な問題は、ヘルパーが集まらなくなること」と語る。
「高齢者向け住宅には、ケアマネジャー、事務職など様々なスタッフが携わっている。給料本体が下がる体系にすると、サービスを提供する人材がいなくなるのでは」と危惧する。
また、介護報酬の依存度が高い運営事業者は苦しくなると話す。
現在の市場では、介護事業を中心としたサ付き住宅運営会社が8割以上だ。
今後も介護報酬の引き下げが行われる可能性を考えると、売り上げに占める介護報酬の割合を3割ほどに収める事業の組み立てを再考するべきだという。
「介護報酬の収入が減ると、他の部分への転嫁が必要になります。生活支援費を上げることが考えられます」(向井社長)