第一次公募は426件
省CO2賃貸住宅にする補助金制度の第二次公募が、7月初旬に始まることが分かった。
この制度は環境省の主導で今年4月に創設され、国が定める省CO2基準を満たした賃貸住宅の建築・改修費用を補助するものだ。
新築の場合、1戸当たり60万円を上限に建築費の2分の1、改修工事の場合、30万円を上限に3分のの費用が補助される。
補助金の申請は施主が行うが、事実上手続きはハウスメーカーをはじめとする建築施工会社が代行している。
補助金申請の受付窓口となる(一社)低炭素社会創出促進協会(東京都港区)によると、4月から5月までの第一次公募では、426件がモデル事業として採択された。
建物の省エネ義務化の流れ
省CO2モデル事業が4月から始まり、賃貸住宅市場でも環境性能に対する国からの要請が高まっている。
来年4月からは、2000㎡以上の非住宅系建築物において、省エネ基準に適合したものしか建てることができない新制度が施行される。
今の所、住宅に対して省エネ基準を義務化する道すじは示されていないが、今後住宅にも適用されることは間違いない。
そもそも、賃貸住宅で環境性能が求められる理由は、家庭部門のエネルギー効率が東日本震災前の2010年に比べて、ほぼ変わっていないことにある。
特に、住宅市場の4割を占める賃貸住宅は断熱性・機密性とも低く、省エネ改善余地が大きい。
省CO2が目的としているのは、温室効果ガスを削減し地球温暖化の速度を緩めることだ。
昨年11月に国連気候変動枠組条約第21回会議(COP21)で採択されたパリ協定は、気温上昇をプラス2度以内に抑えるために、各国が取り組むことを謳っている。
日本政府はパリ協定の採択を各国に対して主導してきたこともあり、早ければ今秋の臨時国会で協定の締結を承認させたい考えだ。
今年4月には、省エネ性能表示制度(BELS)が住宅にも採用され、消費者が住宅の環境性能を一目で判断できるよになった。
今の所、制度は任意で強制力はないが、今年3月の閣議において全ての建物に対する省エネ基準の義務化は検討されており、制度が強化される方向にあることは間違いない。