重説への活用事例を紹介
公益財団法人日本賃貸住宅管理協会(東京都千代田区)は6日、家賃債務保証事業者協議会の第3回定例会を大手町サンスカイルーム(同)で開催した。今回は「家賃債務保証のIT化」をテーマにしたセミナーで、実際にITを業務に取り入れている会員企業3社のモデルケースを紹介。定例会としては過去最高の185人が参加し、関心の高さを示した。
第1部は「自動音声応答システムを活用した滞納督促の効率化」と題し、グリーン・シップ(同)営業本部金融グループ長の金子高大氏が講演した。
同社が開発した『ロボットコールセンター』は、コールセンター業務を架電・受電ともロボットを使って無人対応するシステム。従来の有人対応では1人で20件対応するところを、ロボット1台で500件対応することができ、自動化により接続率も向上する。金子氏は「案内業務の中でも特にオペレーターへの心理的負荷が掛かりやすいのが滞納督促。ロボット対応は非常に効果的で、家賃保証業務にも活用の範囲が広がる」と語った。
第2部では、いい生活(東京都港区)新規事業推進部長の鬼頭史到氏が「IT重説をきっかけに進むIT化最前線」をテーマに、家賃債務保証に伴う重要事項説明へのIT活用について事例を交えて紹介した。
鬼頭氏は、昨年10月からIT重説が解禁されたことで、仕組みと導入方法に関する問い合わせが同社にも多く寄せられていると指摘。「消費者にとっては移動時間や交通費の削減がメリット。管理会社も、たとえば繁忙期で支店での対応が難しい場合に本店からオンライン対応するなど、場所を問わない細かな対応ができる」と語った。
続いて登壇したミリーヴ(熊本県熊本市)経営戦略室経営企画課長の吉村隆之氏は「家賃保証業における電子契約の活用」と題して講演した。
吉村氏は、同社が導入している電子署名・デジタル認証システム『DocuSign(ドキュサイン)』を活用した賃貸借契約更新業務のデジタル化について解説。「更新が集中する毎年3~4月はどうしても業務過多になるが、ペーパーレスのDocuSignを導入すれば業務量を45%削減、大幅な軽費削減も可能」などとした。