ITを活用した重要事項説明等の検討会発足
法律・制度改正|2014年04月28日
第一回は有識者や業界団体による意見交換を行う
売買・賃貸仲介の在り方が近い未来に変わる可能性が出てきた。
宅建業法の改正にも関わってくる「第1回ITを活用した重要事項説明等のありかたに係る検討会」が、4月24日、経済産業省別館で行われた。
検討会の目的は、宅建業法に基づく重要事項説明や、契約の際に義務付けられている契約書交付でのIT活用の方策とその課題への対応策を検討することだ。
この検討会の結果次第では、重要事項説明をテレビ電話やスカイプ上で説明したり、重要事項説明の書面を電子メールで送る行為を認めるようになる。
委員会のメンバーは、不動産・住宅関連の業界団体や消費者団体、大学教授や弁護士など14人からなり、内閣からオブザーバーが入った。座長は日本大学経済学部の中川雅之教授が務める。
まず、今検討会に至るまでの流れや、重要事項説明な等の制度概要を説明。
5月から開始予定の実証実験について触れた。
その後、各委員が意見を発表。「実際の対面をすることが、賃貸借契約を締結する前に人間性を見極めるうえで必須」とのコメントや、「どれだけのニーズがあるのかを提示してほしい」、「売買と賃貸は分けて考えるべき」などの意見が飛び交った。
三好不動産(福岡県福岡市)の三好修社長は「遠隔地の学生は内見せずに契約している場合も多いと聞きます。わざわざ重要事項説明のために足を運ばなくてもいい。法人社宅やマンスリーなど、賃貸住宅活用の契約形態に色々なパターンが出ている。法律が遅れている中で、やっと現状に追いつく動きがでてきた」と語った。
都内を中心に16店舗を展開し、年間1万2900件を仲介するエスフィット(東京都渋谷区)の紫原友規社長は、この流れを「当社にとってはプラス」と語った。仲介件数の約半分を法人契約が占める同社にとって、本社が東京以外の企業の場合、対面契約では契約までに時間が掛かってしまうこともあった。「今回の動きは時代の流れに合ってきていると思う」(紫原社長)