三好不動産(福岡県福岡市)と三井住友カード(東京都港区)が提携したことを発表した。三好不動産で契約した入居者が初期費用の支払いを「銀聯(ぎんれん)」で決済できるようになるという。対象となるのは5月以降に発生する初期費用の支払い。
「銀聯」は、中国人向けの決済サービス。中国人留学生の住宅あっせんに力を入れてきた三好不動産だけに、決済手段の多様化に取り組むことで中国人の入居率向上を図る考えだ。三井住友カードによると、初期費用を「銀聯」で支払えるサービスは九州初となる。
三好不動産は、福岡市内に仲介店舗「スマイルプラザ」を12店舗抱える大手管理会社。一部店舗に中国人スタッフを採用するなどし、中国人留学生の仲介に力を入れてきた。また昨年6月には上海事務所を開設し中国市場への展開を拡大してきた。
このたび、三井住友カードとの提携により、「銀聯」での支払いを可能としたことで従来入居者が行ってきた銀行振り込みや海外送金による手続き負担を軽減。また店舗への現金持参による紛失・盗難リスクも回避するとしている。
「昨年、当社が仲介した中国人留学生の数は年間400件でした。今回のサービス開始により次年度は年間500件に増やしたいと考えています」(三好不動産、執行役員笠清太氏)
同社では入居率向上とともに入金管理業務の一部を三井住友カードに委ねることで業務効率化を図るとしている。
▼...「銀聯」は、中国国内で発行されているほぼすべてのキャッシュカードに付与されているブランド。
約28億5000万枚が発行されている(2011年12月末現在)。2005年には三井住友カードと提携し、日本での利用が可能となった。2012年3月時点の同社との提携によるカード加盟店数は2万9000店舗に広がっている。