生命保険大手の第一生命保険(東京都千代田区)は今後一定の枠を設け、賃貸マンションへの継続的な投資を行うことを明らかにした。
狙いは安定した賃料収入による運用益の獲得にある。昨年は都心のマンションを3棟、40億円ほどで買い取ったという。
不動産部事業計画グループの野津克弘課長は「昨年の賃貸住宅への投資は、不動産の投資枠自体を拡大したわけではありません。地方のオフィスビルを売却した収益分を再投資し、所有不動産を組み替えたものです」と語った。
主な投資対象とする賃貸住宅は、東京23区を中心とし、住宅地として人気の高いエリアで都心から30分以内の物件。
想定入居者を単身者やDINKSとし、間取りはワンルームから2LDK、最寄り駅から徒歩10分以内が条件。
基本的に1棟所有を考えており、目安賃料はシングルで10万円、DINKSで15万円以内。6・6%以上の表面利回りを確保できることだという。
選定は不動産仲介会社を通して紹介を受けた物件を同社の担当者が数カ月にわたりデューディリジェンス(投資先への調査活動)を行ったうえで決定するという。
買収した物件3棟の管理は相互住宅(東京都品川区)が行う。
「賃貸住宅への投資は中・長期的に安定した賃料収入を得られることが大きなメリットです。今後も一定の枠を設けて賃貸住宅への投資を続けていきます」(野津課長)。
安定した投資先としての賃貸住宅の存在感が生命保険業界でも増しているようだ。