寄宿舎間仕切り壁の要件の見直し検討
シェアハウスに規制緩和の動きが出始めている。
昨年9月以降、建築基準法で寄宿舎として取り扱うことになったことから、戸建てからの転用が困難な状況だったシェアハウスに対し国や自治体が見直す方向へ動いている。
東京都は「東京都建築安全条例に基づく寄宿舎に係る建築基準等についての見直しの考え方」を11月4日に発表した。
今年7月に政令が改正され、防火上支障がない部分にある防火上主要な間仕切壁の防火規制が緩和されたことを受け、条例においても見直しを検討。
多様な住まい方に対応できるように寄宿舎等について既存ストックの活用も想定し、窓先空地を不要にするなど、規模や形態に応じたきめ細かい基準とする。
今回対象となる建築物は、1つは自動スプリンクラー設備等設置部分その他防火上支障がないものとして国土交通大臣が定める部分の要件を満たすもの。
もう1つは防火上主要な間仕切壁を設置するほか、煙感知式の住宅用防災報知設備の設置等、国土交通大臣が定める部分の要件の一部を満たすもの。
そのうえで、見直しの考えかたとしては、延べ面積、階数、寝室数等を勘案するほか、既存建築物からの転用も想定し、「戸建て住宅と同様の形態のもの」と「マンションの住戸と同様の形態のもの」に分類。
その上で、基準の適用は、現行の寝室単位ではなく「戸建て住宅と同様の形態のもの」は各階ごと、また「マンション住戸と同様の形態のもの」は1住戸ごとなど、一定の区画単位で考える。
戸建て住宅と同様の形態のものについては、延べ面積200㎡以下、3階以下、避難階以外の寝室数6室以下、寝室数の合計12室以下であれば、屋外通路(幅50cm以上)の確保により窓先空地は不要。さらに、延べ面積100㎡以下、2階以下、寝室数の合計6室以下の場合は屋外通路も不要とする。
マンションの住戸と同様の形態のものは、各区画に設置した共用部分に直接屋外に通ずる窓および避難上有効なバルコニー又は器具等を設け窓先空地を確保することにより、各寝室には窓先空地を設けなくてもよい。
また各階にある「区画数+住戸数」が6以下であれば直通階段は1つでよいなどとしている。