空き家ビジネスへ一歩踏み出す
スマホで遠隔操作できる電子錠はもはや珍しくなくなってきたが、ライナフ(東京都港区)が2月20日、それを一歩上回る単純明快な電子錠「ニンジャロック」を開発したことを、発表した。
電子錠は通常、設置工事が必要なセキュリティー設備だが、ニンジャロックは素人でも設置できる点に強みを見いだせる。
昨年11月に、同社を設立した滝沢潔社長は「室内側からサムターン(錠の開閉部)の上に端末をはめるだけ。工事を一切必要としない手軽さを追求した」と自信を見せる。
スマホで錠の開閉指示を出すと、サーバーがSIMを判別し、キー番号を送信する。
受信したスマホが「ニンジャロック」にキーを送信することで、錠の開閉が初めて可能となる。
設置時の施工を必要としない秘密はここにある。
スマホで管理ができるため、遠隔から「開閉時間」を指定でき、融通が利く。
ニンジャロックという名称は、忍者屋敷にあるような面白い「カラクリ」を施した意味を込めて命名した。
他、将来海外展開をした際に「日本製品」だということを直感的に印象付けられる意味も込められている。
ただ、滝沢社長は「ニンジャロックは目標達成のほんの一歩に過ぎない」と話す。
もともと不動産会社に勤務しており、地震でも賃貸オーナーである滝沢社長には「空き家解消」という強い問題意識があった。
「貸し会議室のように、空室を時間貸しできる『貸し部屋』があってもよい。将来的にそれを促すWEBサイトを開設していく」(滝沢社長)。
ところが、時間貸しする際に立ちはだかったのが「カギ管理」という防犯面だ。
家主が遠方から操作でき、部屋ごとに簡単に設置できる電子錠を提供する必要があった。
そこで、同製品の開発に至ったわけだ。
滝沢社長は「フェイスブックなどのクチコミで製品を広めています。今後は、営業活動を強化していきたい」と話した。