国が空き家問題に本腰 対策推進法を施行
法律・制度改正|2015年03月09日
基本指針も発表し地方自治体の体制整備を促進
政府は、2月26日、「空家等対策の推進に関する特別措置法」の一部を施行。
同日、空き家等に対する施策を総合的、計画的に実施することを目的とした、基本指針も発表した。
同法は、昨年11月に成立し、11月27日に公布。
今年2月26日には、第9条第2項~第5項、第14条、第16条を除き施行された。
5月26日には、前述の部分が施行されると同時に、国土交通省から、空き家活用を進めるためのガイドラインも公表される予定だ。
今回の法律制定の背景には、近年、適切な管理が行われておらず、倒壊の危険がある、衛生上・防犯上、景観上周囲に悪影響を及ぼす空き家が増加していることが上げられる。
持ち主が不明である、もしくは、税制上の理由で空き家を放置したままになっている。
そういった状況を改善するために、同法ではいくつかの要項にまとめ、空き家の除去や、再生を促している。
ポイントは、(1)空き家の調査(2)特定空き家に対する措置(3)空き家の活用・空き家除却後跡地の活用が挙げられる。
(1)に関しては、市町村長が、該当区域内の空き家の所有者を把握するための調査を行うことができるとした(第九条)。
さらに、固定資産税の課税などの事務に利用する目的の情報であっても、空き家の所有者の情報を把握するなど必要限度の目的であれば、行政内部で利用できること(第十条)。
市町村が空き家などに関するデータベースを整備すること(第十一条)などを挙げている。
(2)に関しては、市町村長が特定空き家の所有者に対し、空き家の除去・修繕など必要な措置を取るよう助言、勧告できること。特定空き家の所有者が特定できない場合は、所有者の負担で措置を行うことができる(第一四条・未施行部分)としている。
(3)として、空き家活用の実施に必要な費用の補助などを行うこと。
空き家の対策のために必要な税制上の措置を講ずる(第一五条)としている。
(3)の二つ目については、基本指針で、平成27年度の税制改正の記載を根拠にし、特定空き家に対して、固定資産税の優遇措置の対象外とすることを示唆した。
同法や基本指針が、空き家問題解決の糸口となるか。地方自治体の動きに注目すべきだろう。