自民党、中古住宅市場活性化の提言素案まとめる
自民党の中古住宅市場活性化小委員会が、3月19日にまとめた中古住宅市場の活性化に向けた論点整理と主な課題・提言事項の素案について議論を行った。
課題としてあげているのは、13項目。
そのひとつが物件の「囲い込み」への対策だ。
売買の仲介手数料を売り主・買い主の両者から得る両手取りために、レインズに物件情報を出していても別の会社が問い合わせたとき紹介を断るといった、「囲い込み」に対しては抜本的な改善を行う。
具体的に早急に取り組むべき内容として、「レインズシステムにおけるステータス管理機能の導入」を挙げている。
同対策に違反した場合、ペナルティを導入することも中期的に実現すべき事項として挙げ、レインズへの登録ルールを改正することも視野に入れている。
また、木造戸建て住宅は、築20年程度で一律価値がゼロとなる慣行があるが、これに対してもメスが入ることになる。
早急に「建物評価ルールを改善」し、中期的には「金融機関での担保評価ルールを改善すること」、「ノンリコースローン提供の仕組み構築の検討」などをあげている。
金融機関の担保評価が変われば、戸建てを購入して賃貸市場に出す投資の面でも融資を受けられるようになる可能性が出てくる。
空き家の市場流通と活用に対しては、早急事項として、「住宅団地における既存住宅の活用支援」「個人住宅の流通促進に資する相談体制の整備」「既存住宅を活用した移住・住み替えの促進」、中期的事項として「宅建業者の不動産取引に係る専門性や流通ネットワークを生かした、空き家バンクとの連携」「所有者不存在の空き家等に関する課題の整理と対策の検討」、提言の総論として盛り込むべき事項案には、「今後、ますます増大が見込まれる空き家に対し、その流通・活用を促し、外部不経済の発生の抑止だけでなく、都心の再生、地方部への住替え、二地域居住の円滑化等個性ある地方の創生にも貢献すること」との要項も盛り込んだ。
同提言に関しては、今後、提言事項に対応した工程表を作成し、早期実現に向けて動いていくことになる。