公示地価 住宅地は下落幅に歯止め

統計データ|2016年03月28日

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仕入れ値を家賃に転嫁しきれず新築は苦戦


国土交通省は22日、平成28年の公示地価を発表した。
住宅地・商業地・工業地の全用途平均地価変動率は0.1%の上昇。
昨年の0.3%下落から転じた。

住宅地の地価変動率は0.2%の下落だが、昨年より0.2%改善した。
都道府県別で、最も上昇幅が大きかったのは沖縄だ。
1.1%増加し1.7%の上昇となった。
ホテルや分譲マンションの需要が根強い。
総合不動産会社の琉信ハウジング(沖縄県那覇市)は「那覇市を中心に高い。国道58号線沿いの土地は坪100万円から200万円になった」と話す。

その一方で賃貸住宅の新築はあまり伸びていない。
土地の値上がりに加え建築費の高騰で仕入れ値が高くなり、家賃に転嫁せざるを得ない。
「新築で2割ほど家賃を上げたが、入居者がつかず満室にならない」。
需要と供給のギャップが、土地価格の上昇で浮き彫りにされている。

熊本は昨年の0.4%の下落から0.1%の上昇。
熊本市内では、もともと高い東区に加え、西区で熊本駅の新幹線口周辺の開発が進み地価が上がっている。
1万5500戸管理するコスギ不動産(熊本市)は「熊本市中央区の土地の坪単価が30万円から35万円に上がったが、住宅地はそんなに上がっている実感はない」というのが本音だ。
その一方、収益物件の問い合わせは引きも切らない。
中古物件は1年で1割以上高くなった。
「毎日全国の投資家から電話がくる。東京や福岡の物件は過熱感があるため、エリアを広げ熊本の物件を買いに来ている。これからも中古の値段は上がるのでは」。 

リニア効果に湧く名古屋。
中でも住宅地で東区の上昇率が目覚ましい。
古くからの閑静な住宅街で取り引き数そのものは少ないが根強い人気がある。

一方、マイナス3.5%と住宅地で最も下落率が高かった秋田県。
7693戸管理する秋田住宅流通センター(秋田市)は「県北は下がっているが、秋田市内は横ばい」という。
関東から法人が秋田市内に投資物件を買いに来ており売買は順調だ。
収益物件の価格も横ばいで他の都市に比べ、割安感が出ているようだ。

1.6%と上昇傾向が続く東京。
首都圏の投資家の購買意欲はどれほど続くのか。
野村不動産アーバンネット(東京都新宿区)はこう分析する。
昨年暮れから年明けにかけてのチャイナショック、ユーロ不安などを引き金とした株安が不動産投資家のマインドにマイナス影響を与えた。
だが、「今年に入ってからの購買意欲は高い。低金利政策が影響し、ファイナンスの環境が良くなったためだ。低金利政策が継続されれば、利回りが多少下がっても投資意欲は衰えないだろう」。

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