ハウスメーカー 首都圏での受注競争が激化

統計データ|2016年05月16日

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都市部で3・4階建て商品の営業に注力


ハウスメーカーの首都圏での顧客争奪戦が激しくなりそうだ。
2015年度決算が出そろい、賃貸住宅の受注が各社の追い風であることが明らかになった。
各社の業績と業績好調の理由、今後の戦略をまとめた。

大手ハウスメーカーの賃貸住宅受注は軒並み好調だった。
本紙が取材した7社のうち、旭化成ホームズ(東京都新宿区)を除く6社は受注増となった。

大和ハウス工業(大阪市)の売り上げは13.9%伸び8801億円と、9000億円に届く勢いだ。
伸びたエリアは、東名阪の3大都市が中心になった。

各社が力を入れているのが、3階以上の中層階商品だ。
パナホーム(大阪府豊中市)は、「人口の集中分布に伴う入居需要と、改正相続税法への対策需要の高まり」(同社)を中層階商品で取り込むことに成功し受注高が35%増えた。
同社は、中層階主力商品の「Vieuno(ビューノ)」の営業拠点ビューノプラザを17日に大阪市中央区に開設する。
国内で10拠点目になり、大阪での営業にも本腰を据える。

「地価が高く相続増税の影響がより大きな都市部で3・4階建ての受注が好調」という積水ハウス(大阪市)の中層階商品比率は賃貸住宅の受注割合のうち52%を占めた。
2014年度より6%増えた。

相続税増税を後ろ盾に首都圏での建築を進めたい思惑は各社共通しているようだ。
住友林業(東京都千代田区)は全社体制で賃貸営業を進めていく。
5.4%増の229億円だったが、注文住宅事業の全拠点で賃貸住宅の営業も強化したことが結果につながった。
大和ハウス工業は、営業拠点を13カ所新設。
全国163拠点体制で受注強化を進める。

現在議論が分かれている消費税増税後の戦略をどう考えているのか。
「コミュニティ賃貸で付加価値付けをし、他社との差別化を図る」(旭化成ホームズ)、
「高級木造事業を展開してターゲットを拡大する」(パナホーム)といった商品力強化を対策にするケースが多かった。
営業力の強化を上げたのは、住友林業で「賃貸と住宅の併売体制を強化する」と語った。
「現時点では何とも言えない」(積水化学工業、積水ハウス)という様子見の企業もいた。

大東建託(東京都港区)は「消費税増税で瞬間的な影響はあるかもしれない。ただ、当社は相続税対策の顧客が中心。賃貸住宅建設の関心が高くなっても低くなることはない」と話す。
「ただ首都圏の地主はサラリーマンも多く、直接訪問が効果的でない。セミナーや税理士の講演会などを通じて接点を作るのが重要」

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