スマホで変わる賃貸生活
統計データ|2016年07月11日
モノをインターネットにつなぐことで利便性を向上させ、利用者のデータを蓄積する技術 I o T(アイ・オー・ティー)が入居者の生活を豊かに変えている。
鍵や家電など、生活にかかわるさまざまな機器がスマートフォンなどで操作できる。
また、管理会社の業務にも変化が起きている。
入居者の生活利便性がさらに高まった。
スマートロックのフォトシンス(東京都品川区)は7日、電子定期券で開錠できる「Akerun pro」を発表した。
鍵と家電を連動する機能も備えており、入室すると室内の照明が自動で点くほか、天候を探知して外出する前に音楽で知らせる機能もある。
防犯性能も向上する。
Secual(東京都渋谷区)が販売している、窓や玄関の扉に設置する小型の端末は、不審者が自宅に侵入するなど異常な開閉があると、入居者のスマホへメールで通知する。
管理会社の業務にも変化が起きている。
Z-Works(東京都新宿区)が提供する「Live Connect」は、室内にカメラや人感センサーを設置して、入居者の生活状況をスマホで管理する見守りサービスだ。
水回り設備の状態をリアルタイムで把握することもできるため空室の管理や設備点検などの手間を大幅に省くことにもつながる。
新たな収益源としても期待される。
シード(愛知県名古屋市)では使われていない駐車場や空いたスペースに専用の交通コーンを置いて、時間貸し駐車場として運用する。
コーンに搭載した通信機器と運転手のスマホを連動させて管理する。
コーンを置くだけの手軽さが魅力で、契約がない短期間だけの柔軟な使い方ができる。
「これまで使いようのなかった短い期間でも新しい収益を生み出せる」(シード・吉川幸孝社長)
こうした危機の膨大な利用実態をデータ化することで、どんな入居者が利用しているかや、必要とされる設備を把握することもできる。
管理や仲介業務にそれを生かせば、賃貸住宅の価値改善にもつながる。
今後も賃貸業界の業務を大きく変える I o Tから目が離せない。