不動産小口化商品で狙う顧客開拓

統計データ|2016年10月17日

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インテリックスは3年後、事業総額100億円目指す


不動産の共有持ち分として少額で投資できる不動産小口化商品を組成するケースが出てきた。
10万、100万円単位から資産運用できる商品で新規顧客を開拓するのが目的だ。
小口化商品で呼びこんだ客を本業のビジネスにつなげていきたい不動産会社側の狙いは実を結ぶのか。


インテリックス(東京都渋谷区)は6日、不動産特定共同事業法(以下、不特法)に基づく不動産小口化商品の第2弾として『アセットシェアリング横濱元町』の販売を開始した。

物件は、みなとみらい線「元町・中華街」駅から徒歩5分に立つ地下1階地上8階建てマンションで、4~9階は分譲マンション、地下1階~地上3階が店舗とオフィス。
対象となるのは店舗・オフィス部分で総募集額は10億5000万円だ。
一口100万円単位で募集総口数は1050口、5口以上から販売する。
表面利回りは5.2%だ。
同社の不動産小口化商品は、任意組合型であるため、現金や株と異なり不動産の相続税評価額になるため、相続課税額は出資金額の3~4割ほどに圧縮される。
昨年4月に組成した、第1弾の東京・原宿にある賃貸住宅は、投資家の平均年齢が60代で、購入理由の3割は相続税対策だった。
平均で18口、1800万円分が平均だという。
同社は中古マンションのリノベーション・再販事業が主軸だが、不動産小口化事業にも注力する。
俊成誠司執行役員は「3年後に総額100億円の事業を目指す」と話す。
5~7棟を目安に取得に動いており、首都圏に加え、福岡市では博多区内の賃貸住宅をホテルにコンバージョンするなど、中古不動産を改修する案件も今後手掛けていく。
不動産小口化を切り口に、リノベーションの受託にもつなげていきたい構えだ。
実際に、小口化商品の購入者から、保有するマンションの改修見積もり依頼を受けるなど少しずつ反応が出てきている。
相続対策を切り口に新たな顧客層にアピールしていく。

インベスターズクラウド(東京都港区)は11月2日から匿名組合型の不動産小口化商品『TATERU FUNDING』の第3号案件の募集を始める。
第1号案件は販売開始から20分で448口を売り切った。
同社の狙いは、10万円という少額から始められる不動産小口化商品をきっかけに、アパートの購入につなげることだ。
これまでの2組合の顧客でアパートの成約につながったケースは数件ある。
同社は「2~3カ月に1ファンドのペースで組成していきたい」と話す。
これまではアパートが対象だったが、不動産の種類を増やしていく可能性もあるという。

国土交通省は、遊休不動産や空き家の活用促進のため、投資家の資金を集める不特法に基づく事業への参入要件を緩和する。
次期国会をめどに、これまで1億円だった資本金の下限を1000万円にまで下げる。

投資用の不動産が高騰する中、売買仲介や投資用不動産を販売する会社のビジネス機会は減っている。
金融商品の感覚で、少額から投資できる不動産小口化商品は、不動産会社にとっても顧客との関係づくりに活用できるメリットがある。

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