賃貸仲介・PM事業などを手掛けるS―FIT(東京都港区)は、6月1日より、オーナーの費用負担ゼロで行えるリノベーションプロジェクト「タダリノ」をスタートする。初年度、100戸の受注を目指す。
「タダリノ」は、オーナーがリノベーション費用を一切負担せずに、所有する賃貸マンション・アパートを再生できる画期的なサービス。リノベーション完了後にS―FITがサブリースすることを条件に行う。
「空室で困っているオーナーさんは多いが、時代に合った物件に変えるリフォームを行うには多額の投資が必要。なかなか踏み切れないのが現状」(S―FIT 紫原友規社長)
そこで、同社の専門スタッフが現地調査を行い、査定賃料を算出した上で、工事に着手する。空室リスクを同社が引き受ける形となる。ひと部屋あたりのリノベーション費用は、およそ150万から200万円の予定。オーナーが費用を負担したいと希望する場合はそれも可能だ。
「現在、PMの管理戸数は2000戸。「タダリノ」はただ室内をきれいにするというものではなく、リーシングや管理の現場で日々積み重ねているノウハウを生かし取り組む事業」(紫原社長)
S―FITの昨年の仲介件数は7000戸。08年度は8000戸を見込む。仲介件数は首都圏や名古屋などに18店舗。
借り上げ期間終了後は、リノベーションされた物件のまま、オーナーに返却される。すでに渋谷区代々木で行った「タダリノ」の事例では、築34年、賃料7万5000円の物件が同社負担によって再生され、完成後すぐに10万円で入居者が決まっている。