貸し控えで2カ月連続貸家着工が減少

国土交通省

2017年09月11日

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融資基準の厳格化進む

国土交通省によると貸家着工件数が2カ月連続で減少している。金融機関の貸付条件が厳しくなっていることが背景にある。土地を保有している場合でも賃貸住宅の事業環境を加味しエリアによっては賃貸住宅建設の融資をしないケースも出てきている。AIを活用した不動産情報システムを導入するなど、銀行の融資姿勢に変化が出てきている。

国土交通省が8月31日に発表した、平成29年7月の新設住宅着工件数では、貸家が6月から2カ月連続で減少した。前年同月比で3万6365戸と、3.7%の減少。そのうち、民間資金による貸家は4.5%減の3万2959戸だった。5月までは前年同月比で7カ月連続の増だったのが、減少に転じている。その理由として、銀行の融資姿勢の変化が要因の一つと言えそうだ。

貸し控えで真っ先に影響を受けそうなのが、土地を持たないサラリーマン家主だが、関係者は「年収500~700万円前後で、フルローン、オーバーローンというこれまでひとつのボリュームゾーンを形成していた層の融資は厳しくなっている」と話す。福岡や首都圏でアパートの建設を行う三和エステート(福岡市)の亀田征吾常務は「福岡では今年に入ってから、手持ち資金なしの投資家に融資がつかなくなった。借り入れのしやすさでは昨年がピークだった。今では自己資金を15%程度入れるのが普通になっている」と話す。

某大手ハウスメーカーの広報担当者は「三重県の地銀は、今年に入ってから土地とセットで購入する場合には、絶対に満額で融資をつけなくなった」と話す。他のハウスメーカーからは「昨年の10月からちらほら、融資が厳しくなったと聞く」「昨年から地銀を中心に厳しくなっている」という声が上がる一方、「変化がない」と話す担当者もいる。地銀によっては、市ごとに賃貸住宅の事業環境を加味して、土地を持っていても貸し出さないケースが出てきているという。

不動産コンサルティングを行うアセットビルド(東京都千代田区)の猪俣淳社長は「金融機関の融資姿勢は今後大きく変化があるだろう」と説明する。その一つが、投資指標の厳格化だ。これまでは購入時点の利回りと積算評価だけで行っていた金融機関の物件評価が、ビッグデータを活用したシステムにより将来の家賃減額や売却損益まで含めた内部収益率(IRR)に基づく投資判断に代わるのではないかという。

実際、リーウェイズ(東京都渋谷区)が提供する、5000万件の不動産データから、指定した物件の将来家賃までAIが推測するサービス『Gate.(ゲイト)』はすでに、都内の大手銀行を含む数行がすでに導入を開始しており、アパートローン実績の多い首都圏や地方の銀行も検討しているという。
 猪俣社長は「都市の中心エリアに立つ物件への組み替えを進める、自己資金の割合を増やす、自らもIRRを投資判断の基準として取り入れるという3点を行っていくことが重要だ」と語った

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