初期費用の負担を軽減
約1万5000戸を管理する駅前不動産グループ(福岡県久留米市)は4月から、オーナーの初期費用負担がないリノベーション商品『えきリノ』の営業を本格的に開始する。
リノベーションする物件を同社が借り上げ、施工費用を一時的に立て替えることで、オーナーの負担を軽減するもの。空室になっても原状回復工事をせずに放置している部屋や、入居募集にはリフォームが必要だが費用が捻出できない部屋を所有するオーナーに提案していく。負担が少ないリノベーションによって管理受託物件の入居率を上げ、オーナーの収益を向上させたい考えだ。
サブリース期間は5~10年で、同社がオーナーに支払う賃料から改修工事費用を分割で差し引く。借り上げ期間中は入居者募集の広告料や退去時の原状回復費用なども同社が負担する。借り上げ期間終了後は一般管理に切り替える。
『えきリノ』の設計施工はリノベーション事業会社のリノリビング(福岡市)に委託する。リノリビングではこれまで同様の商品で約200戸のリノベーションを受注してきた。リノリビングの末竹泰典社長は「入居率を高めるためのデザインはもちろんだが、とくに水回りの設備面も一新するため費用の負担が大きい。その懸念材料をカバーする商品で物件の価値を高めるリノベーションを施工していく」という。また入居率を高めるためにも、賃貸仲介に携わる現場スタッフの声を聞き、どのようなニーズがあるかを調査。さらに「スタッフが紹介しやすい間取りや室内環境もヒヤリングし、実際取り入れている」と強調する。