このほど開催された国土交通大臣の諮問機関である社会資本整備審議会産業分科会不動産部会では賃貸住宅管理業の適正化のための制度について審議し、「当面、法規制ではなく、告示による任意の登録制度を国土交通省が実施し、国民の意見、事業者の取組状況を踏まえ、法規制の導入に向けた取組を進める」という方針を示した。
この方針は昨年12月25日に開催された不動産部会で発表。賃貸住宅の管理業の登録制度を設け、登録事業者の業務にルールを定めることで、その業務の適正な運営を確保し、賃借人及び賃貸人の利益の保護を図るということが新制度創設の趣旨だ。
対象不動産は賃貸住宅のみ。対象事業者は賃料等の徴収業務並びに賃貸借契約の更新業務及び解約業務を行う業者で、サブリース業者も対象とする。家主については、管理業と同様、賃料等の徴収業務等が想定されるが、基本的に賃貸業は登録制度の対象外とする。
登録制度の仕組みは、国土交通省に備える登録簿に登録を受けること、登録業者は管理業務に関して定める一定のルールを遵守すること、登録業者が管理業務に関して不正または著しく不当な行為をした場合等においては登録を消除し、この場合、一定期間は再登録できないものとする。適正化のためのルールについては、賃借人および賃貸人の利益の保護のためのルールを定める。
今回、賃貸管理業の法律に基づく登録制度の導入も検討されていたが、登録事務を実施する都道府県の理解と協力、規制強化に対する懸念への十分な対応など、導入にあたって執行体制を整えていかなくてはいけない問題もあり、見送られた。