賃貸住宅の居室内でのいわゆる「孤独死」に伴う家主のリスクに応える商品をアイアル少額短期保険が開発した。補償するのは、自殺・事故・他殺等による入居者死亡に伴う空室または家賃減額など収入の損失と、居室の清掃や遺品整理に必要な原状回復費用。家賃の保証は1事故当たり200万円まで、原状回復費用は1事故あたり100万円まで。地震による死亡は免責となる。
保険には家主または管理会社が加入する。1被保険者あたり5室から20室以下までが条件。1戸当たりの月額保険料は、家賃5万円未満の場合270円、5万円以上10万円未満は300円、10万円以上15万円未満は360円、15万円以上の場合は480円。契約期間は1年間。保険料の年払いも可能。加入にあたっては入居者の年齢など属性は問わない。
同社の既存の代理店のほか、家財保険を扱う少額短期保険会社の代理店を介して家主に提案していく。すでに取扱いに興味を示す管理会社からの問い合わせも同社に寄せられている。代理店手数料率は20%の予定。
アイアル少額短期保険は、ニッチ市場ながらニーズの強いリスクの保険商品化に取り組んでいる。賃貸住宅内の孤独死に備える保険はこれまでも要望が強かったが、商品化には1年2カ月を要した。
「商品化にあたっては、清掃会社のA&Tコーポレーションと遺品整理のキーパーズの2社の協力を得て調査しました。データなどの協力を得られたことで商品化に大きく前進できました。販路や販売方法などは状況を見ながら検討を加えていきたいと考えています」(安藤克行副社長)