外観重視リノベで賃料2倍
2015年12月08日 | リノベーション
阪神本線芦屋駅から徒歩5分。
高級住宅街として人気の高い芦屋にありながらも、その古さから9戸中4戸が空室だった賃貸マンション1棟が、ブランド構築に重点を置いたリノベーションで人気物件に生まれ変わった。
before
1982年6月竣工、2013年にリノベーションした「プール・トゥジュール芦屋」。
手が加えられたのは外観とその時の空室だった3戸。
施工前、共益費込み55000円、敷金礼金0円で1年間空室だった部屋をリノベーション後は125000円にし、礼金は3カ月分に設定。
近隣相場よりおよそ2倍高い設定だが芦屋という場所柄もあり、3戸は1カ月半以内で全て埋まった。
既存入居者はもとの賃料のままで素敵な外観のマンションの住人になることができたため、退去せずに住み続けている。
after
梶本社長は「外観が特に大事」だと語る。
言葉通り、何の変哲もない普通のマンションだった同物件に、オートロックのついたロートアイアン製の門扉が設置され、セキュリティー面でも安心なものになった。
また、ギリシャ建築を彷彿とさせる外観デザインを施し「(高級住宅地の)芦屋に相応しいおしゃれなマンション」を完成させた。
人気の理由はそれだけではない。
空室だった事務所に、認可保育園を入れた。
安定したテナント収入が得られるだけではなく、小さな子供や若い母親が集まる光景が物件のイメージアップにもつながった。
ブランドイメージを守るため、認可付きにするかどうかや、設計なども同社がコンサルティングを担当した。
また、洋風の外観にもかかわらずあえて設けた和室(茶室)では、炉蓋畳を取り外してお茶をたてることもできる。
壁は若い世代へ好まれるように、小京都金沢をイメージした青い壁紙に変えた。
梶本社長は「賃貸物件という枠だけではなく、レストラン業やスイーツ業などでも同じコンセプトでブランド展開していきたい」と話す。
プール・トゥジュールのテーマは「価値の創造。女性男性にとらわれず、みんなが幸せになるためのブランドを。いつも新しい感覚を。奇抜なものではなくほっとできるようなことを」だ。
今後、1階部分にプール・トゥジュールブランドのスイーツ販売の店舗を入れる。
梶本社長が自らメニューをプロデュース、健康志向でも薄味ではなく「食べたら幸せになる」をコンセプトに展開する。
また、2階部分にはブランドイメージに合わせた家具や照明を配置したプロジェクト推進室を入れることを計画している。