不人気のロフト付き物件を猫専用に
2015年11月05日 | リノベーション
東京メトロ東西線行徳駅から徒歩約10分の場所に、全12戸中6戸が11カ月空室という物件があった。
もともと企業が借り上げた物件で、賃料は5万5000円だった。
それを2年前に現オーナーが購入し、リフォーム後に査定を行ったところ、4万8000円になった。
そこで猫専用物件にリノベーションしたことで賃料1万4000円の値上げに成功したのがクラシヲ(東京都葛飾区)だ。
玄関を開けると左手にすぐ洗濯パンとミニキッチンが目に飛び込んでくる間取り。
広さはおよそ16㎡。
その狭さを補うような高い天井のロフト付きワンルームだったが、夏は上段が暑く冬は下段が寒いという特徴から敬遠され続けたという。
そんな高さゆえのハンデを逆手にとったのが「猫専用物件にする」コンセプト設定だ。
猫は高いところから見下ろすのが好きだという習性を利用し、ロフトから跳び移れる高さにキャットウォークを兼ねた棚を設置。
急傾斜過ぎて猫にとって登るのが難しかった梯子は緩い角度のものに変更。
床材は滑らず、傷つきにくい素材のものにし、壁もひっかき傷のつきにくい強化クロスに張り替えた。
さらに、大きかった洗濯パンを小さいものにし、キッチンは足元に猫がじゃれつくことを想像してシンク下の収納がないタイプに変更した。
玄関入ってすぐの圧迫感はこれにより大きく軽減された。
大変身を遂げた同物件は、猫専用物件という宣伝がうまくいかず満室にするのに8カ月かかったが、認知度が上がると問い合わせが殺到し始め、最後の1部屋が争奪戦になるほどの人気ぶりに。
同社の杉浦社長は「今後も猫専用物件の普及をめざしリノベーションを手掛けていきたいです」と話す。