原点回帰で体制見直し再始動 梅田 真理子 社長

賃貸保証業のパイオニアである日本賃貸保証（千葉県木更津市）は、家賃滞納者の自立支援や亡くなった入居者の供養塔建立など、業界において異例の取り組みを行ってきた。連帯保証人をたてることが難しくなった現代社会において、保証会社が果たすべき社会的役割が大きくなり、各社間の競争も激しさを増すなか「入居者の良き理解者たれ」という創業以来の精神を受け継いだ梅田真理子新社長に今後の展開を聞く。

95年に保証業開始当初は理解得られず

亀岡　御社とはこれまで何度か対談を行っていると思いますが、社長が交代されたのですね。

梅田　1月30日付けで就任しました。

亀岡　最近は家賃債務保証の社長に会う機会が多いですが、女性は珍しい。

梅田　事業開始当初より、弊社では女性スタッフが入居者のサポートや不動産会社への営業活動をしてきました。私はこの仕事に関わって20年以上になります。営業から滞納処理、強制執行の現場立会いなど、保証業務全般に携わってきました。「保証業とは家庭を見るもの」と、創業者である父（井坂泰志会長）から教わりました。私自身、中学生になる息子がいますが、子を持つ女性の目線は、入居者の方の生活を保証する仕事にプラスに働くと思っています。

亀岡　うちにも女性の記者が多くいますが、出産後に戻ってきて上のポストで活躍しています。梅田社長もこれからもっと活躍し、会社を大きくしていってください。そのためにはご自身の顔や社名を売っていくことが大事ですよ。うちの記者をうまく使ってください。

梅田　ありがとうございます（笑）。弊社が保証業を始めたのは1995年のことです。今から20年以上前になりますが、その頃は会社が個人保証の代わりを担うなんていうことは、不動産会社から理解を得られませんでした。

亀岡　そうでしょう。全国賃貸住宅新聞を創刊して30年近くになりますが、昔は賃貸住宅といえば風呂トイレが付いていないのは当たり前。低所得者が住むもので、家主や管理会社も「新聞なんかに載せられては困る」と取材を断ってくる始末でした。これではいけないと、賃貸業界の地位を上げるために新聞を作り、同時に業界団体も作りましたが、始めは苦労しましたよ。家主や管理業さえそのような状態ですから、保証業などはなおさらでしょう。ずっとこの業界に携わってきたのですか。

梅田　3年ほど不動産会社に勤めた後にこの会社に入りました。当時は創業して間もなかったこともあり、営業人員も4人たらずでした。まずは創業地である横浜周辺で２年ほど営業に従事しましたが、3年目に大阪支店の立ち上げを任されました。