サブリース事業を手掛ける日本管理センターのグループ子会社で研修事業を手掛けるJPMCアカデミー(東京都千代田区)。新人から経営者までを対象とする研修プログラムを提供し、設立2年目にして延べ132社271人が受講した。パートナー企業約1400社、借り上げ戸数約7万4500戸のスケールメリットを生かしグループ会社で、賃貸経営や管理受託を支援する商品、サービスを提供している。「パートナー企業の成長が当社の事業拡大につながる」と語る十河浩一社長が人材教育の重要性について語った。
亀岡 お会いするのは初めてですか。
十河 私は初めてになりますが、親会社である日本管理センター(以下、JPMC:東京都千代田区)の代表を務める武藤英明が2度、この対談に出ています。
亀岡 そうでしたか。親会社はサブリース事業を手掛けているそうですね。
十河 全国で約7万4500戸を借り上げています。不動産会社や建築、リフォーム会社など約1400社のパートナー企業が、当社のサブリースを活用し管理受託や建築、改修工事を受注するのです。借り上げた物件はJPMCが貸主になり各地域のパートナー企業に管理を委託する仕組みになります。私が代表を務めるJPMCアカデミーでは、パートナー企業向けに研修事業を行っています。
亀岡 なぜサブリース会社が、グループで研修事業を手掛けようと考えたのですか。
十河 パートナー企業の成長こそが当社の事業拡大につながるからです。親会社のサブリース事業では新築・中古の賃貸住宅以外にサービス付き高齢者向け住宅にも借り上げの領域を広げています。グループ会社では家賃債務保証や収益不動産の売買サポートなどパートナー企業が収益を上げることができるさまざまな商品、サービスも提供しています。これらはパートナー企業が管理や建築請負などの主力事業に加え、収益を生み出す第二、第三のエンジンと位置づけていますが、どんなに高性能のエンジンがあっても良質な燃料がなければ動きません。そのため、エンジンを動かす人材を育成する必要性を感じ、研修事業に着手しました。
亀岡 ちなみに、グループ会社では具体的にどういった収益事業を提供しているのでしょうか。
十河 特に収益性が高いのは、JPMCアセットマネジメントが提供している全国ネットワークを活用した収益不動産の売買マッチングサービス『イーベスト』です。さらに遠隔地の収益不動産売買をサポートするための融資をJPMCファイナンスで行っています。
JPMCアカデミー
十河 浩一 社長
1964年9月15日生まれの宮崎県出身。熊本県の明和不動産で管理部部長、企画室長を歴任後、2002年6月に日本管理センターの創業メンバーに参画。PM事業部長、シニアハウス事業部長、戦略企画室長、社長室長を経て、16年1月にJPMCカデミーを設立し社長就任。現在、日本管理センター常務執行役員を兼任。
- JPMCアカデミー
- 本社所在地 : 〒100-0005 東京都千代田区丸の内3-4-2新日石ビルヂング
- 設立 : 2016年1月
- 事業内容 : 不動産経営に関するセミナーの企画、運営など
経済評論家 亀岡 大郎 氏
大正15年京城生まれ。新大阪新聞経済部長を経て、経済評論家となる。文藝春秋、サンデー毎日など一流紙で、経済・財界問題を中心に、精力的な活動を続ける一方で「自動車戦争」「ゲリラ商法」「IBMの人事管理」などベストセラー多数。