23年前、同社を立ち上げ、現在、3910戸管理しているハウスネットワーク(京都市)。8年前からは外国人に対するビジネスに目をつけ、仲介店舗に外国語を話せるスタッフを置くなどしている同社。インバウンド事業で中国やフランスなど海外在住者への不動産売買も昨年から強化している。今後の展開について八尾社長に話を聞いた。
スタート時は月商わずか60万
亀岡 京都からお越しだとお聞きしました。京都といえば長栄の長田修社長を筆頭に業界に影響力のある不動産会社が多くありますね。(公財)日本賃貸住宅管理協会も活発に動いているエリアですね。いつから展開していますか。
八尾 今出川に本社を構えて同社も不動産の管理、仲介、売買を行っています。1995年に同社を立ち上げました。それまで京都にある不動産会社でお世話になっており、管理の仕事に携わっていました。そのとき、オーナーや経営者と直接お会いして話をする機会が多くあり、自分自身で管理業をやってみたい思いが強まり、独立しました。
亀岡 この媒体『全国賃貸住宅新聞』を創刊したのが1990年ですが、30年前の当時はまだ賃貸管理の地位が低く、大手は見向きもしない業界でした。新聞を発行することで、業界を盛り上げて社会的地位の向上を訴え続けてきました。
八尾 たしかにクレーム産業といわれるとおり家主、入居者双方からの要望や苦情をいただきます。創業当時は私と妻の2人でやっており、売り上げも月60万円ほどからのスタートで、なかなか厳しい状態でした。それでも管理の基本を作りたかったので仲介業務はせず、有効活用の提案をして、建ててもらった物件の管理を行うことに徹しました。地道に続けることにより、年間3、4棟の受注がありました。
亀岡 京都は学生の街でもあり、ワコールや任天堂、堀場製作所、村田製作所などものづくり企業が多く存在し、研究者が多い街ですが、どんな物件を受注していたのですか。
八尾 京学や同志社、など大学に近いエリアが多いため、ワンルームマンションがほとんどです。はじめは管理だけ行っていましたが、満室にするための店舗が必要になり、仲介事業を行うことにしました。創業5年目のとき、店舗拡大を狙い10店舗にしようと試みましたが、うまくいかず、現在の4店舗に落ち着きました。昨年の仲介件数は1800件ほどでした。
亀岡 仲介もただ、店舗を増やすだけではなく、高級賃貸専門やデザイナーズマンションに特化するなど何か特長づけていかなければなりません。
ハウスネットワーク
八尾 満 社長
1960年1月5日、熊本県出身。京都外国語大学英米学科を中退。フリーターとなり職を転々とした後、不動産会社に就職。1995年、ハウスネットワークを設立する。 趣味はゴルフとオーナーに勧められて始めた鮎釣り。大学3年生の息子がいる。
- ハウスネットワーク
- 本社所在地 : 京都市上京区烏丸通今出川上ル今出川町329番地
- 設立 : 平成7年9月28日 社員数 : 50人人 資本金 : 2000万円円
- 事業内容 : 賃貸管理、仲介、売買
経済評論家 亀岡 大郎 氏
大正15年京城生まれ。新大阪新聞経済部長を経て、経済評論家となる。文藝春秋、サンデー毎日など一流紙で、経済・財界問題を中心に、精力的な活動を続ける一方で「自動車戦争」「ゲリラ商法」「IBMの人事管理」などベストセラー多数。