亀岡大郎のトップ対談

月額家賃10%の経営代行で入居率98% 大原 正彦 社長

エスアンドティ

埼玉県蕨市

2018年08月20日号

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賃貸経営代行システムを強みに管理受託を増やしている会社がある。埼玉県を中心に建築企画を提案し、管理受託を行うエスアンドティ(埼玉県蕨市)だ。サブリースとは異なり、借り上げはせず貸主代理として代行することで月額家賃の10%を代行料として受け取っている。今回は同社大原正彦社長に10%の代行料を受け取れる提案力について話を聞いた。

会社設立して30年埼玉で1300戸管理

亀岡 御社は管理会社ですか。管理戸数はどれほどあるのですか。

大原 1300戸です。でも、当社の場合は管理といっても、近年は経営代行という形での受託を強化しています。

亀岡 経営代行とはサブリースですか。

大原 サブリースとは違います。借り上げず、貸主代理としてオーナーの代わりに経営代行します。経営代行料は月額家賃の10%を頂戴しています。

亀岡 サブリースでもないのにオーナーは10%も管理料を支払うのですか。

大原 経営代行はオーナーと管理会社が一心同体です。賃貸経営の目的はキャッシュフローと賃貸価値の最大化です。当社では入居者募集、入居者トラブル対応から家賃集金はもちろん、日常清掃および建物管理、銀行ローンの対応、税金対策、長期のメンテナンス計画まで策定します。

亀岡 サブリースはもともと私が1986年に書いた『マイ・アパート』という本の中で取り上げたのですが、この本を教科書にして、伸ばした管理会社が大手で結構あるんですよ。

大原 1986年ですか。今から32年前とはずいぶん前からこの仕組みを紹介されていたんですね。

亀岡 サブリースの元祖を知っていますか。『アパートマンション情報』という雑誌をいち早く出版したハウザーという会社です。

大原 ハウザー知っています。『アパートマンション情報』も懐かしいですね。

亀岡 このハウザーの創業者が増本光雄という野村証券出身の社長で当時は飛ぶ鳥を落とす勢いで成長していました。うちが『全国賃貸住宅新聞』を発行することになったきっかけも、もともと『アパートマンション情報』の編集を担当していたからなのです。賃貸業界について知るうちに、「これからの時代は賃貸だ」と考え新聞をつくったのです。

大原 そうだったんですね。勉強になります。

亀岡 御社の管理戸数は1300戸ということですが、その数字ではこれからの時代大変ですよ。昔なら1000戸台の管理戸数の会社でも、もっと頑張ってくださいと話していましたが、今ではトップ企業が管理戸数100万戸の時代です。そうなると太刀打ちできなくなります。私は、最近賃貸住宅を住宅だとは考えていないのです。流通システムだと考えているのです。

大原 流通システムですか。

亀岡 例えば、100万戸管理している会社が管理物件全てオール電化住宅にしようとした場合、それだけの数を一気にオール電化にするのですから、1戸当たりのコストをかなり安く抑えることができます。つまり、安い金額でオール電化にしたら当然それほど家賃に転嫁する必要はないですから、他の物件よりも競争力がつくわけです。

女性の心くすぐる企画退去発生しても即成約

大原 これからの時代、スケールメリットはますます重要になってくると思います。ただ当社も設立して30年。管理は17年前から始めてコツコツと増やしてきました。デザイン力を推進力にして小さな会社を上手くブランディングすることで当社は成り立っています。

亀岡 御社が考える差別化とは何ですか。

大原 当社が考える差別化とは賃貸住宅が増え続ける中、住みごこちの良い、住んでみたいと思われる賃貸住宅のブランディングとマネージメントを中心とする業務に仕事内容を絞り込むことです。

亀岡 住んでみたいと思われる賃貸住宅とは具体的にはどんなものですか。

大原 例えば、全7戸の賃貸住宅『ハンノキハウス』では「カフェのようなお家」がコンセプトです。漆喰(しっくい)壁や無垢(むく)のフローリングと白ベースの室内の組み合わせにより、女性の入居者さん中心に支持されています。『Fromage Atre&Noel(フロマージュ アトレ&ノエル)』という物件にいたっては建物の前で記念写真を撮る人がいるほど注目されています。ヨーロッパの街灯をイメージした外灯と石張りのエントランスアプローチが好評のようです。もちろん、デザインだけでなく収納を多くするなど機能面も高いです。駅から遠く木造ですが、満室です。

亀岡 コストを安く抑えた競争力のある物件であればオーナーにも分かりやすい訴求力ですね。

大原 オーナーの収益性をいかに最大化するかと考えたときに大事なのは最初の建築コストを落とすことです。当社では直接建材会社と取引するので原価を抑える強みがあります。

亀岡 サブリースをしなくても、10%の代行料を支払うのは入居率が高いからなのですね。

大原 それに加えて自社で開発したクラウドシステムで賃貸管理をしているので、さまざまな問題解決にも早く対応できます。その結果、管理物件の8月の入居率は97・7%です。

エスアンドティ

大原 正彦 社長

1958年5月9日大阪生まれ。81年法政大学卒業後、アメリカテネシー州立工科大学へ留学。83年広告代理店業、イベントプロデュース、ディスコティック事業を行うオルグッドコーポレーション設立。89年エスアンドティを設立、代表取締役就任。2010年建築企画事業部を分社化し、現・エスアンドティモア設立。

エスアンドティ
本社所在地 : 埼玉県蕨市中央5-12-13
設立 : 1989年  社員数 : 10人  資本金 : 1000万円
事業内容 : 土地活用・賃貸用不動産の経営代行・専任管理・不動産コンサルティング・不動産仲介・不動産賃貸業・リフォーム・リノベーション・コンバージョン
経済評論家 亀岡大郎氏のサムネイル画像

経済評論家 亀岡 大郎

大正15年京城生まれ。新大阪新聞経済部長を経て、経済評論家となる。文藝春秋、サンデー毎日など一流紙で、経済・財界問題を中心に、精力的な活動を続ける一方で「自動車戦争」「ゲリラ商法」「IBMの人事管理」などベストセラー多数。

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