余震で確認作業難航

熊本 倒壊の危険増し退去促す
熊本県を襲った地震の被害が拡大している。
余震は、最初の発生から1日半経った16日も続いており、収まる気配は見えない。
現地の不動産会社は入居者の安否や管理物件の状況確認などに追われているが、交通網やライフラインが分断された中で作業は難航しているようだ。
県内最大手の明和不動産管理(熊本市)は、15日早朝から市内の全店舗を臨時休業にし、スタッフ総出で入居者の安全確認や避難作業にあたった。
余震で混乱が続く中、丸1日を費やして約2万1000戸の管理物件を巡回した。
しかし、確認作業後の余震で断水や漏水が発生した住戸が多数出ている様子で、16日も再度、巡回を行っている。
倒壊の被害は今のところないようだが、予断を許さない状況だという。
「緊急コールセンターを設け、入居者やオーナーからの問い合わせに対応しているが、電話が鳴りやまない」(川口圭介社長)
「6戸のアパートが傾いた。非常に危険な状態のため、退去してもらった」と語るのは、市内を中心に2000戸を管理する豊不動産(熊本市)の男性スタッフ。
急きょ、従業員を本店に集め、入居者やオーナーの安否確認やフォローに当たった。
傾いたアパートは益城町の物件。
幸いにも入居者に怪我はなかったが、このままでは倒壊の恐れがあると判断し、退去を促したという。
被害が甚大な益城町を中心に、約1100戸の賃貸物件を管理するニコニコ不動産(同)は、アパート3棟と戸建て賃貸1軒が被害を受け、入居者に退去してもらった。
担当者は「設計士と連携し、1棟ずつ傾きや破損の有無などを確認して回っている。使えなくなる物件が最終的に何棟になるか、今のところ不明だ」と話す。
15日の夕方までに約40世帯が退去したが、もともと管理物件に空室が少ない上、空いていても安全が保障できないため、ほとんどの入居者に小学校などへの避難を促した。
コスギ不動産(同)は、小杉康之社長自らが陣頭指揮を執って社員とともに現場確認に駆け回った。
人手が足りず、店舗には、「水が出ない」「エレベーターが開かない」「階段にひびが入っている」などの問い合わせが後を絶たないが、対応しきれていない状況だという。
益城町に住むメディアインターナショナル(同)福本和敏社長は15日、車の中で夜明けを迎えた。
夜通し余震が続いたたため、いつ倒壊するか分からない家の中にいることができず、駐車場の車中に避難した。
朝を迎え外に出ると、自宅の屋根瓦は崩れ落ち、近所の古い住宅は傾いていた。
住宅街の小道は瓦礫で車が通れない状態、道路もあちらこちらで陥没やマンホールの隆起が見られたという。
宮田茂オーナー(同)は、市内に所有する築40年の物件を確認したところ「壁に亀裂が入り、外装が剥がれ落ちていた」という。
入居者や通行人が怪我をしないように業者を手配しようとしたが、連絡がつかない状況が続いているそうだ。
観測史上、九州では最大の震度を記録した今回の地震。
余震はまだ続いており、被害はますます拡大しそうな状況だ。

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