婚姻期間に応じ相続分を引き上げ

民法改正
中間試案への意見公募

昨年4月から相続法制の見直しが行われている。
高齢者化や家族構成が多様化する社会情勢に配慮した中間試案がまとまった。
35年ぶりに配偶者の法定相続分が引き上げられる可能性がでてきた。
法務省は相続に関する民法改正の中間試案について、7月からパブリックコメントを募集する。
21日の法制審議でまとまった試案には、婚姻期間によって配偶者の法定相続分を引き上げる要旨や、法定相続人でなくても被相続人の介護や看護をした場合、相続人に金銭を請求できる内容が盛り込まれた。
現行法は1980年に制定されたものだ。
改正案は高齢化や家族形態の多様化が進む現代社会の実態と整合性があるかが焦点になる。
現状では、結婚して1年未満であっても、30年経っていても配偶者の法定相続分は2分の1と差はない。
高齢者の再婚が増えるなかで、不平等感が生じているケースを配慮する必要があると、審議会では20年もしくは30年など一定の期間を経過した場合に、法定相続分を3分の2に引き上げる案を提示した。
戦後から配偶者の相続分を引き上げてきた背景から、さらなる引き上げの必要性を問う異論もあったという。
加えて、控除額をどう考えるかも検討が必要になっていく。
また、介護や看護など被相続人の世話をしたことによって生じる不公平感も、相続額をめぐる親族トラブルに発展することが多い。
審議会では、金銭を請求できる親族を2親等以内に限定する、もしくは無償で奉仕したことを要件するという2つの案が出た。
担当者によると「相続の紛争が複雑化するという異議が多く出た」という。
ことぶき法律事務所の亀井秀樹弁護士は、「不平等感を解消するための新法が新たなトラブルを生むこともある。慎重な判断が必要だ」と、この試案が与える影響の大きさを指摘する。
一方で、「相続人の貢献度を加味する寄与制度は十分な制度として確立していない。そのため、被相続人の請求権を認めた場合、その相場額の見極めが非常に難しくなるのでは」と意見を述べる。
法務省は9月末までにパブリックコメントを募集する。
広く国民の意見を聞いた上で10月以降に再度、審議会で議論を重ね、来年中の国会に改正案を提出する予定だ。

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