電力市場への参入が相次ぐ

入居者向けにプラン紹介
小売事業を開始
不動産業界から電力事業に参入するケースが相次いでいる。
アットホーム(東京都大田区)は8月から加盟店が管理する物件に東京ガス(東京都港区)が販売する電力プランを紹介するサービスをはじめる。
長谷工コーポレーション(東京都港区)も関東、関西、中部地域の管理物件で電力の小売事業の受け付けを開始し、秋ごろをめどに提供をはじめる。
電力の小売りが自由化して3カ月、不動産会社の持つネットワークに注目が集まる。
アットホームは、東京ガスと業務提携し、電力プランの紹介事業を開始する。
管理会社に対してロビーやエレベーターなどの共用部の電力を東京ガスが提供するプランに切り替える提案を行う。
サービスが適応されるのは関東の物件だ。
アットホームの加盟店数はおよそ5万3000店にのぼる。
長谷工コーポレーションは関東、関西、中部地域にある管理物件に電力の小売りを行う。
分譲マンションを管理する長谷工コミュニティ(東京都港区)が主として案内を行うが、賃貸管理を行う長谷工ライブネット(同)でもオーナーからの相談を受け付けていくという。
提供するサービスは長谷工アネシス(同)が提供する高圧一括受電プラン。
1棟丸ごと契約するというサービスで、従来の大手電力会社による料金プランと比べて5%ほど削減できるという。
野村不動産(東京都新宿区)も電力小売り事業に乗り出している。
4月に、集合住宅向けインターネット導入サービスを行うファミリーネット・ジャパン(東京都品川区)と共同出資で、電力小売事業を行うNFパワーサービス(東京都新宿区)を設立し、マンションオーナーに向けて販売を開始した。
1棟単位で一括契約して電力を安価に抑えるプランで、従来の3~6%ほど電気料金を削減できるという。
東京急行電鉄(東京都渋谷区)も子会社を立ち上げ、営業活動に着手する。
不動産仲介の東急リバブル(同)や賃貸管理の東急住宅リース(東京都新宿区)を通じて、入居者に向けて電力契約の切り替えの提案を行っている。
新電力 開始3カ月で切り替え2%
経済産業省の認可法人である電力広域的運営推進機関(東京都江東区)は、電力の小売り自由化から約3カ月の間に電力契約を切り替えた世帯が126万件にのぼったことを明らかにした。
総契約数6260万件に占める切り替え世帯の割合は約2%にとどまっており、依然として急激な変化が起きる兆しは見えてこない。
その一方で、電力小売事業に参入した企業としては手ごたえを感じる者も少なくない。
東京ガス(東京都港区)は21日、電力の契約件数が40万1000件に達したことを明らかにし、今年度目標としていた40万件をわずか3カ月で達成したことを明らかにした。
首都圏に約200店舗あるガス器具の販売店を活用した販売を行っており、新規に獲得した契約の7割が販売店での契約だった。
ほかにも、都市ガスやケーブルテレビ会社などでは契約数を伸ばしている。
本業で一般家庭と接点を持つ企業の多くは順調に契約を積み上げており、地域に根差したネットワークを持つ不動産仲介会社や管理会社には、まだまだ大きな可能性が眠っている。

関連記事