不動産小口化を開始

一口100万円から 想定利回り3%
穴吹興産が自社の賃貸物件を小口化して投資家に販売する『アルファアセットクラブ』をはじめる。
価格は一口100万~1000万円。
配当利回りは年平均3%超を想定する。
まずは、穴吹興産グループが建設・管理する物件から小口化して販売する。
物件は四国・九州地方でこれまで同社が建設したものを予定しており、年1~2棟ペースで販売物件を増やしていくという。
不特事業のうち、事業者と出資者でつくる任意組合が不動産を所得する「任意組合型」を組成する。
穴吹興産が事業者となって管理・運営を行い、家賃収入を投資家に分配する仕組みだ。
任意組合型は実際の不動産を取得する不動産商品であるため、贈与や相続の際に不動産税制が適応されるのが特徴だ。
金融商品である不動産投資信託(REIT)と比べて不動産は評価額が下がるため、相続税を抑えられるメリットもある。
これまで穴吹興産が提供していた賃貸マンションの建設提案は、数億円規模のものがほとんど。
都心部を中心に地価の高騰や空室率の向上が激化し、少額の不動産投資を求める個人投資家も多い。
不特事業をはじめることで、そうした個人投資家へアプローチする狙いがあるという。
8月に香川県から不特事業の許認可を得た。
自社で建設した物件以外にも、穴吹興産が他社の物件を買い取り、小口化して販売する手法も取り入れる予定。
家賃収入の変動が少なく、安定した収益を確保できる地方都市の物件を中心に開拓していく。
穴吹興産は「小口化することで販売価格を抑え、個人投資家への販売を強めたい」とした。
穴吹興産の主力事業は分譲マンションの販売だが、2011年からは、賃貸中の区分所有マンションを買い取り、入居者が退去するまでの賃貸収益と退却後の売却益を得る買取再販事業を始めるなど賃貸事業にも注力している。
不特事業者 3年で2倍へ
要件緩和で参入に追い風
本紙が国交省に取材したところ、2013年に行った不特事業法の改正後、新たに許可を得た会社が3年で2倍に増加していることがわかった。
これまでに不特事業の許認可を得た会社は約90社にのぼり、今年8月に穴吹興産が許可を得たことで、東京都以外の都市に本社がある会社で不特事業の許可を得た企業は延べ10社に達した。
不特事業の許可を得るには1億円以上の資本金要件や業務管理者の設置要件など厳しい条件があり、1995年に法案が制定されてから運用実績を伸ばせずにいた。
2013年12月の改正により新たに不特事業者の枠組みが創設されたことで、新規に許可を得る会社が増加する結果となった。
政府は不特事業を通じて不動産の証券化を促進し、空き家や老朽不動産の活性化を図る狙いがある。
2015年には不動産投資市場の活性化を目的として、大手不動産会社や学術機関などの専門家を集めた不動産投資市場政策懇談会を設立し、不特事業法のさらなる緩和に向けた協議を進めている。
<不動産特定共同事業>
投資家が出資し、不動産会社が事業者となって実物不動産を運用し、収益の分配を行うスキーム。
事業者は国交省や都道府県知事の許可が必要。

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