外資マネー、大阪に流入

不動産会社がインバウンドビジネス強化
外国人投資家が不動産価格の高騰する東京から、大阪に目を向けている。インバウンドビジネスに力を入れる不動産会社も出てくる一方、大阪市の中心部で大型物件の供給が進み、過熱感を危惧する声も上がっている。
東急住宅リース(東京都新宿区)のもとに、外国人投資家から大阪の物件を求める声が増えてきていることが、17日の取材で明らかになった。同社では、グループの東急不動産(東京都港区)が開発、販売した新築分譲マンションの賃貸住戸を外国人オーナーから管理受託し、この1年で管理物件は50戸から100戸まで倍に増えたが、そのうち30戸ほどが大阪の物件だ。
ユニット事業部の桒原岳夫マネージャーは「都内の新築だと、ファミリー向けで8000万円以上になる。表面利回りは3%を切るため、外国人投資家は買いやすい大阪の物件を希望している。大阪の場合、4000万~5000万円と東京の2分の1の値段で買え、表面利回りも東京より1%高い、4%ほど取れる」と話す。
外資マネーの大阪流入は全体的な動きのようだ。総合不動産サービスのジョンズラングラサール(東京都千代田区)が14日に発表したレポートによると、2017年上期の大阪圏の商業用不動産への投資額は総額3810億円で08年以降最大の投資額となった。外国人投資家の割合は昨年の14%から18%にまで高まっており、海外資金による大阪不動産への投資額は増えた計算になる。
大阪が拠点の不動産会社も、外国人投資家向けビジネスを強化する。
大阪や兵庫で7店舗展開するダイワホームズグループ(大阪市)の山田輝昭社長は「今年の頭は落ち着いていたが、ここ最近、外国人投資家が動き出している」と話す。同社では、中古の区分マンションを仲介し、管理受託している。中国人の投資家が中心で、価格帯は2000万円台が多く表面利回りは6%ほどだ。「大阪は中国から距離が近く来やすいうえ、物件価格が落ち着いて横ばいになってきたのが、海外からの反響が戻ってきた理由ではないか」(山田社長)。2年半で売買仲介を100件ほど行い、今年に入ってからは20件弱仲介している。
今後は、外国人向けの賃貸仲介と、海外投資家向け売買仲介を合わせた国際部の売り上げを3年で倍の2億円にまで伸ばしていく。「来年中に香港に拠点を置く予定。外国人の顧客向けのイベント開催などでコミュニティをつくり、紹介も増やしたい」(山田社長)
府内トップの管理会社宅都(大阪市)も、香港や上海、台湾で現地の不動産会社と協力し、大阪の物件を紹介するなど、インバウンドビジネスに力を入れる。
その一方で、大阪市内では大型分譲マンションの供給が進み、今後市場が崩れるのではないかと危惧する声も上がる。三菱地所は55階建て、総戸数894戸の『ザ・パークハウス中之島』を10月に竣工する。阪急不動産は566戸の『ジオ福島野田』を、東急不動産は276戸の『ブランズタワー御堂筋本町』を同じく10月に完成する予定だ。関係者は「実需以上の供給数で、外国人投資家への販売がないと全部売れないのでは」と開発の過熱感に疑問を抱く。

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