高齢入居者向け見守りの提供広がる

超高齢化社会に向けて、高齢入居者向けの見守りを導入する動きが広がっている。パナホーム不動産(大阪府豊中市)は2018年1月から管理物件に見守り付きの家賃債務保証商品を導入する予定だ。岩手県のアート不動産(岩手県盛岡市)は地元の大学と連携し、高齢入居者への安否確認サービスを提案していく。オーナーのリスクを減らし、入居者と離れて住む家族が安心できる仕組みをつくることが業界課題になりつつある。
パナホーム不動産は家賃債務保証事業のイントラスト(東京都千代田区)と提携し、見守りサービス自動付帯の家賃債務保証商品を提案していく。60~75歳の入居希望者に案内を行う。連帯保証人をイントラストが引き受け、孤独死の際の原状回復費や訴訟などの手続き費用も保証する。保証料は家賃1カ月分。見守りの内容は、週に1回音声ガイダンスで連絡を行い、月に1回、電話で健康状況を確認する。大和リビング(東京都江東区)も8月から同様な商品の提供を始めた。イントラストには管理会社から問い合わせが来ており、前述の企業とは別に、大手も含め2社との提携がほぼ確定している。
国勢調査によると、65歳以上の高齢者の独り暮らし世帯は15年間で2倍近くに増えた。(上表参照)。賃貸業界でも孤独死は大きな問題になりうる。


中堅の管理会社も動く。岩手県で5900戸管理するアート不動産は、18年4月から管理物件に、高齢者の安否確認サービスを導入する。岩手県立大学、IT事業のプロフェッショナル・ネットワークス(東京都新宿区)と連携し開発した。入居者がスマートフォンの専用アプリで、毎日、体調について「げんき」「ふつう」「わるい」の3つのボタンから選択することで、クラウド上に情報が蓄積される。体調についての発信がない場合には、同社の社員が電話や訪問で入居者の安否確認を行う。アート不動産の櫻井大介社長は「管理物件のうち高齢入居者は150人と数パーセントだが、間違いなく増えていく。孤独死予防で家主のリスクを減らしていきたい」と話す。
 東京都で3000戸を管理するアークマネージメント(東京都板橋区)は、18年2月に竣工する賃貸マンションでセコムと協業。専有部に赤外線センサーをつけ、一定期間動きがない場合に、セコムの警備員が駆け付けるサービスを独自開発した。小山友宏社長は「オーナーが高齢者を受け入れやすい環境を整備していく」と話した。

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