空室対策の研究発表

 不動産会社や大学関係者らで組織される一般社団法人HEAD研究会(東京都千代田区)は12日、東京都千代田区の3331 ArtsChiyoda(アーツチヨダ、同)でシンポジウム『全国の賃貸マーケットの変化』を主催し108人が聴講した。
発表されたのは『空室対策分科会』の研究成果の内容だ。ADを上げ、家賃を下げる空室対策ではなく、ターゲットを絞り新しい貸し方を模索していくことを登壇者が提案した。
ハウスメイトパートナーズ(東京都豊島区)の谷尚子氏など9人のパネリストから3人ずつのグループに分かれ、3つの座談会形式で行った。


第1部では、リクルート住まいカンパニー(東京都中央区)の佐藤淳哉氏らが登壇。
多数の物件の中から検索に残るために、ポータルサイトの検索項目のうち普及が進んでいない設備の導入が効果的であると説明。その上で写真映えのする部屋づくりをすることで選ばれやすくなることや、築年数にこだわっているユーザーがほぼいないことなどを伝えた。
第2部では、空室対策として高齢者を取り込むことについて発表した。
65歳以上からの部屋探しを支援するR65+(東京都世田谷区)の太田垣章子司法書士はITを活用した見守りサービスで孤独死の早期発見が可能なことなどを例に挙げ、必要としているのに借りられない高齢者をターゲットにすることで入居者を獲得する方法を訴えた。
第3部では、不動産コンサルティングを行うPM工房社(東京都豊島区)の久保田大介社長が、入居者に部屋の使い方の提案をすることで成約できた事例を紹介した。
空室が問題になっていた母屋と平屋をセットで賃貸することを提案し、服飾系の事業を行う女性4名が母屋にシェアハウスとして入居し、平屋をアトリエとして利用する方法で入居を決めたケースなどを紹介した。
熱心に耳を傾けていた聴講者からは「空室対策にパターンはないのかもしれない。むしろ画一化から個性化だから、さまざまな工夫があっていい」との声も上がった。

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