日弁連、サブリース事業の法整備求める

投資用シェアハウス被害が社会問題化し、法整備を国に問う動きが出ている。日本弁護士連合会(以下、日弁連:東京都千代田区)は19日付けで国土交通大臣と内閣府特命金融担当大臣に対して意見書を提出。サブリース事業者の登録制度義務化や、サブリースを前提とするアパート建設の際、金融機関が貸付先に対して賃貸物件の需要見込みや空室リスクを説明することを法律に定めるべきとした。
長期のサブリースを条件に投資用シェアハウスを販売しながら、支払いを行わない事件が問題化している。最大で、787人のオーナーから845棟のシェアハウスをサブリースしたスマートデイズ(東京都中央区)は今年1月にサブリース家賃不払いを起こし、2月分についても支払いの見込みはない。2017年2月には、シェアハウス販売・管理のサクトインベストメントパートナーズ(東京都中央区)が借り上げ家賃を払わず音信不通になった。それ以外にも同様な手口の会社に対してオーナーが訴訟を検討する動きが出てきている。
一連の動きを受け、日弁連は「サブリースを前提とするアパート等の建設勧誘の際の規制強化を求める意見書」を国に提出した。趣旨は大きく3つ。1つ目は、サブリース業者とその関連の建設業者がサブリースを前提に賃貸住宅建設を勧誘する場合、家賃変動リスクや、金融機関からの融資返済までに必要な諸費用と建築の請負代金を含めた投資資本回収のために必要な月額賃料額などの説明を法令上義務とすべき点。2つ目は、賃貸住宅管理業者登録制度を義務的制度とする法整備、特にサブリース業者に登録義務を課し、1つ目の内容を順守させること。3つ目に、金融機関が賃貸住宅への融資を行う際、将来的な賃貸物件の需要見込み、金利上昇や空室・賃料低下リスク等を説明すべきことを、銀行法施行規則に明記する点だ。


今回の投資用シェアハウス問題の根本にあるのは、そもそも事業として継続性の見込みのないサブリース家賃を前提に、相場より高額なシェアハウスを販売している点だ。販売後に「資金繰りが悪化した」と一方的にサブリース家賃をストップする事態を引き起こしている。設定賃料の妥当性をオーナーに説明せず「30年間サブリース家賃を固定」「利回り8%分の借り上げ家賃を保証」などとうたい営業を行う悪質な事業者を取り締まる法律が存在しない。
同じ問題が発生しないためには、国が早急に法整備を進めるべきだが、その動きは緩慢だ。国土交通省は、日弁連の意見書に対して「スマートデイズの案件について調査をしている。すぐ法制度化する時期ではない。まずは現在の賃貸住宅管理業者登録制度の登録数が増えてから」とコメント。金融庁は「アパートローンへの金融機関の融資姿勢については指導を行ってきた。融資審査が適正に行われているか必要に応じて状況確認している。法令化する前に、まずは指導レベルで各金融機関に徹底させる」と話した。

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