民泊新法の事業者届け出開始

住宅で宿泊事業を行うための新しい法律「住宅宿泊事業法(民泊新法)」がいよいよ動き出す。6月15日の施行を控え、3月15日から事業者の届け出を自治体が受け付けていく。国内ルールを順守したうえで健全な市場拡大のため、民泊仲介会社にも対応が迫られている。
新法では民泊を行う場合、住宅の所在地を管轄する都道府県に必要書類を提出しなければいけない。住宅宿泊事業届出書と登記事項証明書や誓約書など十数種の添付書類が必要だ。
民泊施設と宿泊希望者をマッチングするサイトを運営する仲介会社も、届け出済みの合法物件のみを掲載しなければならない。これまで、無許可と思われる物件が多く掲載されていた『Airbnb(エアービーアンドビー)』は、民泊新法に従い法令順守のために必要な対応をとるようだ。6月15日以降は日本国内の民泊物件を継続して掲載するには、都道府県への届出番号などの記入が必須となる。記入のない物件に関しては、「6月15日の午前0時までに非掲載にする」と本紙の取材に対して回答をした。
一方で2月14日、Airbnbは東京都の民泊事業に関するガイドラインに対し、意見書を提出している。新法では、自治体が地域の実情に合わせて、民泊運営のルールをさらに規制することが可能なためだ。都内でも各区が住居専用地域や平日の営業禁止を検討する動きがある。Airbnbは意見書で、一般個人が民泊施設の提供者として参加できるよう、シンプルで参入障壁が低く、プライバシーや個人情報が保護されるルールの策定を要望した。ガイドラインに対し具体的な改善点などのコメントは明かさなかったが、新法施行による民泊市場の縮小を懸念しているのかもしれない。
開設当初から合法民泊物件のみを掲載してきた『STAY JAPAN(ステイジャパン)』を運営する百錬練磨(宮城県仙台市)も、新法に合わせサイトを改良する。掲載登録するために、旅館業や特区民泊など許認可が分かる書面データのアップロードに加え、民泊新法では届出番号の入力が必要になる。


さらに、年間180日の営業日数制限に対応したシステム改修を計画しているという。自治体の条例によっては、仲介サイト上に民泊施設の場所が特定できるように住所を明記することが義務付けられる。この点に関しては現状、家主不在型の民泊施設で住所を公開すると、空き巣や悪用の問題もあり、予約確定の段階で住所を公開している。今後は自治体の条例を踏まえつつ、国とも相談しながらプラットフォームとして適切な措置を検討していく姿勢だ。
観光産業の発展と地域活性化への貢献が期待される民泊だが、トラブルや事件も後を絶たない。法整備によって、違法な事業者や物件が排除されていくべきだろう。

関連記事