民泊全面解禁、二の足踏む管理大手

ついに15日、全国で民泊が解禁された。賃貸住宅を宿泊施設として活用する新たなビジネスチャンスではあるものの、大手賃貸管理会社は参入に二の足を踏んでいる状況だ。はたして、不動産会社にとって新法民泊に商機はあるのか。
15日、賃貸業界は新たな一歩を踏み出した。住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行され、これまで東京都大田区、大阪府下など一部のエリアだけで認められていた民泊が全国で可能となったのだ。
不動産会社にとって新法下の民泊は制約が大きい。まず年間の宿泊上限日数が180日と定められ、さらに自治体による条例が上乗せされたからだ。後者では、土日祝日以外の営業を認めなかったり、住宅用途地域では不可になるなど、自治体によっては事実上ビジネスとしての成立が難しい内容の条例を定めたケースも出ている。
本紙では、賃貸管理大手10社に対して独自調査を行った。民泊の管理業者に登録する予定はあるかとの質問に対しては、大東建託(東京都港区)、大和リビング(東京都江東区)、積水ハウス(大阪市)、レオパレス21(東京都中野区)の4社は「現時点ではない」との回答だった。「検討中」と答えたのは、タイセイ・ハウジー(東京都渋谷区)、ミニテック(東京都港区)、長谷工ライブネット(同)の3社。
「予定がある」と答えたのはハウスメイトパートナーズ(東京都豊島区)とすでに申請の準備を行っている東建コーポレーション(愛知県名古屋市)の2社だった。管理物件で運用する可能性があると答えたのは、9社中3社にとどまった。すでに動きだしているのは東建コーポレーションで、自社物件の『千種タワーヒルズ』の一部を申請して運用していくという。全体的に動きは鈍く、様子見になりそうだ。
不動産会社に商機はあるのだろうか。楽天LIFULSTAY(東京都千代田区)が提案するのは、マンスリーマンションの空室期間を民泊で運用する方法だ。マンスリーは1カ月以上での賃貸契約しかできないため、1カ月未満の貸せない期間が発生する。その空室期間を民泊として運用することで収益性を高めようとするものだ。タイミングによっては高い宿泊料で貸すことも可能だ。


用途地域や営業日を制限している首都圏にくらべ、地方自治体は条例を設けていないケースが多い。地方を訪れる外国人観光客も増加しており、福岡や瀬戸内、北海道などは伸長率が高い。地方の方が狙い目だ。
インバウンドの拡大は東京五輪がピークではない。ビザの緩和とアジアでニューリッチ層の増加が後押ししている。現在日本を訪れる外国人で最も多いのが中国人だが、中国の総人口のうち約0.5%程度にすぎない。人口の1%が日本にくる可能性も十分にある。

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