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スルガ株主総会 家主救済策発表も疑問の声

スルガ銀行(静岡県沼津市)は6月28日に株主総会を開き、同社で融資を行ったシェアハウスのうちサブリース会社が倒産したオーナーの救済案を発表した。大手不動産会社と提携した入居付け支援と金融ADRに対応する姿勢を見せたが、有効性を疑問視するオーナーの声も上がった。
6月28日に本店のある沼津市内で行われたスルガ銀行の株主総会は、開場前から行列ができ、ものものしい空気に包まれていた。
シェアハウス関連融資の残高が2035億円にのぼるが、「かぼちゃの馬車」のスマートデイズを筆頭にシェアハウスのサブリース会社は次々と倒産。貸倒引当金を大幅に積み増したことで経常利益は582億2200万円から105億2500万円と前期比の5分の1になった。来場した株主は「初めて株主総会に出席した。個人向け融資に振り切り、無理な融資を重ねて今回のような問題になっている。これからどう経営の軌道修正をしていくのかを直接聞きたかった」という声が上がった。
出席者によると、開始から2~3分は同社の経営陣に対して「謝罪しろ」などの怒号が飛び交った。役員11人が壇上に上がり、創業一家の岡野光喜会長をはじめ、米山明広社長ら役員全員で陳謝した。
業績が悪化し、株価が今年1月の年初来高値の3分の1になったにも関わらず役員がほぼ再任されたことについて株主から追及を受け、米山社長は「第三者委員会の調査の内容を踏まえて出処進退を考えたい」とコメントしたという。
今回の総会ではシェアハウス融資に対する救済策について説明をした。救済策は大きく2つ。1つはシェアハウス経営の入居付けサポート体制の構築だ。岡野会長が「もっとも大切だと考えているのは債務者の生活基盤を守るということ」と話し、東京都日本橋の東京本部にシェアハウス等顧客対策室を創設したことを発表。
シェアハウスの入居率を高めるサポートをするため、三井不動産リアルティ、野村不動産、野村不動産アーバンネットの3社とアドバイザリー契約を結ぶ予定だ。
もう1つは金融ADRに対応することだ。スルガ銀行がADR対応の姿勢を見せることでオーナーの要望について対応の余地があることを示した。


金融ADRとは、金融機関との取引に関して、利用者と金融機関との間でトラブルが発生したときに、当事者以外の第三者にかかわってもらいながら、裁判以外の方法で解決を図る制度。裁判にくらべ2~6カ月と早期の解決が望める一方、和解が中心となるため、双方の意見や要望がかい離している場合には有意義でないこともある。
スルガ銀行がどのような経営を行ってきたのか全容を知りたいと、3月に株を購入し参加したスマートデイズのオーナーは「大手にシェアハウスの入居付けノウハウがあるとは思えない。有効性には疑問」と話した。
株主総会後に記者会見を行ったスルガ銀行スマートデイズ被害弁護団は直接交渉による代物弁済の主張を貫くと明言。「金融ADRの場合、和解になると金融庁の調査は及ばなくなる」と同弁護団の紀藤正樹弁護士は話した。弁護団で指摘しているそもそもの融資の有効性についての追求が退たれ、銀行の実態解明につながらなくなると危惧する。

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