違法建築問題で初の損害賠償請求

レオパレス21(東京都中野区)が過去に販売したアパートの違法建築問題で22日、岐阜市の男性オーナー(55)が2005万8539円の損害賠償を求める訴えを岐阜地方裁判所に申し立てた。レオパレス側が提示している修繕工事の内容では不十分とし、被害者の会側で必要とする調査・補修費用などの支払いを求める。同日岐阜市内で会見したレオパレス違法建築被害者の会の前田和彦会長によると、同問題での損害賠償請求は初めて。


原告オーナーが所有する賃貸住宅は1995年ごろにレオパレスが『ゴールドネイル』シリーズとして建築した岐阜市内の木造2階建て、全10戸の1Rアパート。同社物件オーナーで構成するLPオーナー会を通じて2018年3~5月に1級建築士に調査を依頼。結果、陸屋根と2階天井の間の小屋根裏に、防火性と遮音性を持つ界壁がなく、1、2階の天井裏も耐火構造や防火構造になっていないことが判明。建築基準法に違反するとした。
5月にレオパレスは『ゴールドネイル』と『ニューゴールドネイル』シリーズについて、今回の訴訟対象物件と同様の違法建築の可能性が高いことを認めた。その上で屋根裏部分に界壁を新設する修繕工事での対応を提示している。しかし被害者の会側はレオパレス側が提示する屋根裏部分の界壁修繕だけでは延焼を防ぐ観点などからも十分な耐火・防火性能が得られないとし、1、2階の天井内の界壁修繕も必要と主張してきた。
修繕工事金額で見ると、レオパレス側の屋根裏界壁修繕工事だけの場合は1棟当たり約60万円であるのに対し、原告側の主張では1棟当たり約2000万円に膨らむとする。
原告の実兄で対象物件の実質管理を任されていた那須弘樹さん(58)が会見に出席。「レオパレスは不備を認めたにもかかわらず、いまだ私どもの物件の調査には入っていない。さらにある執行役員は水平面での防火が取れているなどとし、このままでは話し合いでの解決は難しいと提訴に至った」とした。
問題の両シリーズの物件は全国に915棟残っているとみられる。被害者の会の前田会長は、仮に今回の原告側の訴えが認められた場合、訴訟の動きが広がるとみている。レオパレス側は「訴状が届いていないのでコメントは差し控える」としている。

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