オール電化の被害目立つ

6日の午前3時8分ごろ、北海道胆振(いぶり)地方中東部を震源とする最大震度7の地震が発生した。札幌市清田区では液状化現象で地面が大きく傾くなど、建物にも甚大な被害を及ぼしている。さらに、苫東厚真火力発電所が緊急停止したことで、道内全域で一時停電が発生し、連絡手段が断たれるなどの不便も生じた。
本紙は11日時点で、地場の大手管理会社で約5万6000戸を管理する常口アトム(北海道札幌市)や約2万3000戸を管理するビッグ(同)に取材を申し込んだ。だが、「入居者やオーナーからの問い合わせがひっきりなしで、取材を受けられない」と対応に追われていた。
管理物件に多くの被害が出たかどうかは管理会社ごとで大きく異なるようだ。約1万6000件を管理する三光リアルティ(同)は6日からオーナーへの被害状況の確認を行い、管理している1250棟は1棟を除き被害がなかったという。岡貢社長は「引越しが必要と判断される物件は東区の1棟のみで判明しているが、他は建物のひびなどの被害報告はまだ入っていない。木造で築35年以上の物件もあるが無事だった」と話した。
一方で、約1万1000戸を管理するタカラ(同)は12日時点で9割の調査を終えた。オーナーに被害状況を報告するため、松元伸弥社長を含め、役員全員が管理物件とその周辺の写真を撮って確認に回った。「電力で水を供給する受水槽の機能が停電でストップしたことで漏水の被害が広まった。断水かと蛇口をひねったままだったり、洗濯機のホースが外れたままだったりで外出し、その間に電気が復旧したことが原因だ」と山口大取締役が話した。


約6400戸を管理する駿河(北海道千歳市)では12日時点で管理物件の3分の2の確認が済んでおり、合計219件の被害が判明した。内訳はオール電化物件の電気温水器の水漏れが81件。窓ガラスが割れた、ドアの開閉ができないといった建物の不具合が50件、その他停電による不具合や警報器が鳴りやまないなどのトラブルが88件に上ったという。「電気温水器の水漏れは古いものに多く見られた。上階の水漏れで下の住人が住めなくなったケースが2、3件ほどあるが、同じ建物の別の部屋に住んでもらう対応をした」と尾村則子統括部長は話した。
約4400戸を管理する札幌市農業協同組合(JAさっぽろ:北海道札幌市)でも建物にひびが入った物件が数件確認された程度。最も多かった問い合わせは駿河と同様、オール電化に対応した物件の電気温水器の故障で、100件以上に上るという。「揺れが大きかったことで配管にずれが生じ、修理業者を手配しようとしても停電のため電話ができず、ガソリンの供給も制限がかかっていたため復旧が遅れた」と担当者は話した。
オール電化の賃貸住宅に関する被害は約1100戸を管理する不動産バンク(同)でも見受けられだ。
「電気温水器が倒れて漏水した物件が9戸ある。電気温水器は、23時から7時までの深夜電力でお湯を沸かすので、停電になると時刻設定をやり直さなければならず、そのままにしておくと違う時間に稼働してしまい、電気料金が高くなる。該当者にはその旨を案内した」と大広祐司社長は話す。
札幌市東区の米生啓子オーナーが所有する築37年の全24戸の賃貸マンションでは建物自体に被害はなかったものの、敷地内の駐車場に地割れや地面の隆起が発生。さらに建物と地面の間に隙間ができてしまった。現在、その修復に追われている。それでも今のところ、建物に影響がなかったことから、停電以外は入居者の生活に支障はほとんどなかった。

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